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Teraceの想い

良いお店が静かに潰れていくのが嫌だ。だから小規模事業者のホームページを本気で作る

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良いお店が静かに潰れていくのが嫌だ。だから小規模事業者のホームページを本気で作る

新卒で入った会社を辞めたあと、軽バンで2年ほど日本一周をしていた時期がある。ホームページ制作を仕事にしたのは、そこから戻ってきてからだ。

旅の途中の2022年7月、熊本の湯の鶴温泉に立ち寄った。温泉街はほとんどの店が閉まっていて、障子が破れたままの宿もあった。すれ違う観光客は、僕らのほかにいなかった。それでいて、お湯はとても良かった。一度入れば気に入る人はたくさんいるはずだと思える温泉だった。

いまの仕事をなぜやっているのかと聞かれたとき、僕はだいたい湯の鶴の話をしている。

梶本 直希の顔写真

執筆者

梶本 直希

代表・マーケティングディレクター

1998年生まれ。同志社大学を卒業後、レバレジーズ株式会社を経て独立。Terace(テラス)の代表・マーケティングディレクターとして、サイト制作とSEOの両面から支援しています。企業と提携したSEOコンサルティングも担当。

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「湯の鶴温泉」が良い場所なのに、知られていなかった

宿を出てから、スマホでその温泉を調べてみた。ところが、ほとんど情報が出てこない。料金も、部屋の写真も、どんなお湯なのかも分からなかった。宿の人は、たぶんお湯を守ることに時間を使ってきたのだと思う。良いものを作ることと、それを人に知ってもらうことは、まったく別の作業だ。そして後者は、誰かが教えてくれるわけでもない。

そこで起きていたのは、単純なことだった。検索して出てこない場所は、行き先の候補にすら入らない。良いか悪いかを比べてもらう前に、外れてしまう。

お湯が悪いから人が減っていたのではない。知ってもらう手段がなかったから減っていた。

逆に言えば、その手段さえあれば残せた場所だ。日本一周から戻ったあとも、あの温泉街の景色が頭から離れなかった。

大きな会社と小さな会社では、サイトの重みが違う

大きな会社にとってのサイト(たくさんある仕事の一つ・失敗しても他で取り返せる)と、小さな事業者にとってのサイト(唯一の窓口・うまくいかないと事業が傾く)

独立してからしばらくは、業界を絞らずに仕事を受けていた。個人事業主のサイトもあれば、上場企業のコーポレートサイトやサービスサイト、受託開発もやった。

いちばん記憶に残っているのは、ある上場企業のDX案件だ。守秘義務があるので中身は書けないが、規模も予算も、それまで扱っていたものとは桁が違った。

やり終えたときに残ったのは、達成感よりも、もやもやした気持ちだった。大きな会社にとって、ホームページはたくさんある仕事のうちの一つでしかない。うまくいかなくても、別の事業や別の方法で取り返せる。これは誰かが手を抜いているという話ではなく、規模の話だ。会社が大きいほど、サイト一つにかかっているものは小さくなる。

小さな事業者では、まったく違う。問い合わせの数も、名乗ったときの信用も、来月の売上も、ホームページ一枚に乗っている。うまくいかなければ、事業そのものが傾く。その一枚を預かれることが、いまの自分の誇りになっている。

サイト制作の単価を下げる選択に迷いはあった

正直に書くと、迷いはあった。大きな会社のサイトを作っていた時期は、お金の面ではかなり恵まれていた。予算がはじめから高く、単価の大きい案件も多かった。

小さな事業者を相手にすると決めるのは、その単価を自分から下げるということでもある。食べていけるのか、という不安は普通にあった。それでも、湯の鶴で見た景色のほうが強かった。数をこなして売上を積むより、一枚で結果が変わる相手と向き合うほうが、自分の仕事として納得できると思った。

大きな会社の案件(予算が高い・単価が大きい)と、小さな事業者の案件(単価は下がる・一枚で結果が変わる)を並べた選択の構図

小さな事業者と、近い距離で仕事をする

良いものが埋もれるのは、中身が足りないからではない。知ってもらう手段が用意されていないからだ。

だから僕は、会社の大きさではなく、一枚のサイトが効く相手を選んで仕事をしている。しっかり話し合えて、しっかり向き合える。それができる距離で作ることが、いまのTeraceのやり方になっている。

あの温泉街のような場所は、たぶん全国にいくらでもある。そこに一つずつ入口を作っていくのが、僕の仕事だと思っている。

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