小規模多機能型居宅介護の人員基準は、職種ごとに人数と資格・研修の要件が決まっています。通いの利用者数は前年度の平均で数えるため、年度ごとに必要な人数が変わります。
「4月になったら通いに5人必要になった」「看護師が週2日の非常勤しかいないが大丈夫か」。こうした疑問は、この記事に自分の事業所の数字を当てはめれば確かめられます。
職種別の早見表・計算例・欠員対処の順に説明します。
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小規模多機能型居宅介護の人員基準の一覧
職種ごとの人数・資格・確かめるポイントを下の表にまとめました。根拠は指定地域密着型サービスの基準(平成18年厚生労働省令第34号)です。
実際の基準は各市町村の条例で決まるので、詳しくは保険者(事業所のある市町村)に確認してください。
常勤換算とは、職員の勤務時間の合計を常勤の勤務時間で割った数です。前年度平均とは、前年度(4月〜3月)の通い利用者の延べ数を前年度の日数で割った数です。
| 職種 | 必要な人数・資格 | 確かめること |
|---|---|---|
| 代表者 | 認知症の介護経験か保健医療・福祉の経営経験+開設者研修 | 研修修了証があるか |
| 管理者 | 常勤専従・認知症介護3年以上+管理者研修 | 研修修了証と勤務形態を確認 |
| 日中の介護従業者(通い) | 前年度平均の通い利用者3人ごとに常勤換算1以上(端数も1人と数える) | 勤務表が3:1以上になっているか |
| 日中の介護従業者(訪問) | 常勤換算で1以上 | 勤務表に訪問担当が確保されているか |
| 夜勤 | 1以上 | 泊まりがある夜に1人いるか |
| 宿直 | 宿直に必要な数以上 | 泊まりがある夜に確保されているか |
| 常勤従業者 | 1以上 | 1人以上が常勤か |
| 看護職員 | 1以上(看護師か准看護師・常勤不要) | 非常勤でも1人以上確保しているか |
| 介護支援専門員 | 1以上(計画作成担当者研修修了・非常勤可) | 研修修了証があるか |
ここでは職種ごとに5つの基準を説明します。
管理者と代表者は認知症の研修を修了する
管理者と代表者は、決められた経験と研修がそろわないと、指定の時点で人員基準を満たせません。省令が管理者・代表者に、職務経験に加えて厚生労働大臣が定める研修の修了を求めているからです。
必要な経験と研修は次の通りです。
- 管理者:認知症介護3年以上+管理者研修
- 代表者:認知症介護か経営の経験+開設者研修
管理者の研修は「認知症対応型サービス事業管理者研修」、代表者の研修は「認知症対応型サービス事業開設者研修」です。
管理者研修の日程がまだ先のときは、次の2つをそろえてから保険者に前もって相談(事前協議)してください。
- 実践者研修を修了している
- 直近の研修に申し込んでいる
実践者研修とは、認知症介護実践者研修のことです。予定どおり修了できなかったときは、遡って減算になります。
| よくあるケース | 要件を満たすか |
|---|---|
| 認知症グループホームで4年介護職・管理者研修修了 | 満たす |
| デイの生活相談員3年・認知症介護の経験が薄い | 満たさない可能性あり→保険者確認 |
| 管理者研修の日程待ち・実践者研修修了済みで申込み済み | 事前協議で認められる場合がある |
ぺんすけ研修の修了証はコピーを事業所のファイルにまとめておくと、保険者に聞かれたときにすぐ出せます。
たとえばグループホームで5年介護職を経験し管理者研修を修了した人が管理者になる場合、管理者の要件は満たせます。
代表者には別途、開設者研修の修了が必要です。開設の準備を始めたら、研修の日程を早めに確認しておきましょう。
日中は通い3人に1人と訪問1人を置く
日中は、事業所全体で通いと訪問の人数を確保すれば基準を満たします。省令が通いの利用者3人ごと(端数も1人)に1以上と、訪問1以上で決めており、職員を通いと訪問に固定する必要はないからです。
必要な人数は次の2つです。
- 通い:利用者3人ごとに常勤換算1人
- 訪問:常勤換算1人
介護職員に介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)の資格は必須ではありません。介護の知識と経験を持つ人であれば配置できます。
ただし医療・福祉の資格を持たない人には、採用後1年以内に認知症介護基礎研修を受けてもらう手配が必要です。
たとえば日中に職員が4人出勤しているとき、3人が通いに対応しながら1人が訪問を回すことも、1人が午前は通い・午後は訪問を担当することも、どちらも認められています。合計の常勤換算が基準を満たしていればOKです。
夜間は夜勤1人と宿直を置く
夜間は、泊まりの利用者がいるかどうかで、置く職員が変わります。省令が夜間の員数を夜勤1以上と宿直に必要な数で定め、宿泊者がいない夜だけ例外を設けているからです。
必要な職員は次の通りです。
- 泊まりがいる夜:夜勤1人と宿直(必要な数)
- 泊まりがいない夜:連絡体制があれば不要
宿直の職員は、事業所の外で待機してもかまいません。条件は、必要なときにすぐ訪問に行ける体制が整っていることです。
| よくあるケース | 対応 |
|---|---|
| 泊まり利用者あり | 夜勤1人+宿直(必要な数)を確保 |
| 泊まり利用者なし+連絡体制あり | 夜間職員なしでよい |
| 泊まりなしだが勤務表に入れていない | 急な利用に備えて勤務表には入れておく |
たとえば平日は泊まり予約がほぼなく、週末だけ泊まりがある事業所なら、予約のない平日の夜は連絡体制で足ります。
ただし急な泊まりに備えて、平日も勤務表の段階で夜勤・宿直の担当を決めておく必要があります。



泊まりのない夜の連絡体制は、連絡先を一枚にまとめて事業所内に貼っておくと、急な泊まりのときも当番の職員が迷いません。
看護師は1人以上で常勤でなくてよい
看護師か准看護師を従業者の中に1人置けばよく、非常勤で毎日勤務しない形でも基準を満たせます。省令は看護師か准看護師を1人以上置くことだけを定め、常勤の要件を置いていないからです。
なお、常勤専従の看護師を置くと看護職員配置加算の対象になります。加算を取っていた場合、看護師が退職したら加算の取り下げが必要になるので注意してください。
| よくあるケース | 要件を満たすか |
|---|---|
| 週2日勤務の非常勤准看護師1人 | 満たす |
| 看護師が退職して不在 | 満たさない(翌月末までに補充すれば減算なし・できなければ翌々月から減算) |
| 常勤専従の看護師を配置 | 満たす(看護職員配置加算の要件にもなる) |
たとえば週2回だけ勤務する非常勤の准看護師を事業所で雇う形でも、人員基準の看護職員として数えられます。毎日来てもらわなくてよいので、採用の幅が広がります。
ケアマネは研修修了者を1人置く
小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を終えた介護支援専門員(ケアマネジャー)を1人置けば、非常勤でも基準を満たします。
登録者のケアプランは事業所のケアマネジャーが作る決まりで、その人に研修の修了が求められているからです。
研修を修了していないケアマネジャーを置くと、人員基準を満たさない状態(人員基準欠如)になり、翌々月から減算です(翌月末までに解消すれば減算は出ません)。
ただし後任が次の2つを満たすなら、保険者に前もって相談すれば、研修を終えるまで配置できる場合があります。
- 実践者研修を修了している
- 直近回の計画作成担当者研修に申込みが確実
予定どおり修了できなかったときは、遡って減算になります。介護支援専門員の資格を取るまでの猶予はありません。資格がない人は配置できません。
たとえばケアマネジャーが管理者を兼ねている体制でも、その1人が計画作成担当者研修を修了していれば、ケアマネジャーとしての要件は満たせます。
| よくあるケース | 要件を満たすか |
|---|---|
| 計画作成担当者研修修了・週3日非常勤 | 満たす |
| 介護支援専門員の資格あり・研修未修了 | 欠如(翌月末までに解消すれば減算なし・できなければ翌々月から減算) |
| 介護支援専門員の資格取得待ち | 猶予なし(資格が取れるまで配置不可) |
小規模多機能型居宅介護の人員基準の計算方法


通い利用者の前年度の平均と自事業所の勤務時間があれば、日中に何人必要かを計算で確かめられます。
ここでは「前年度の通い利用者の平均を出す」「3で割って必要人数を決める」「勤務時間を足し合わせて基準と比べる」の3つの手順で説明します。
前年度の通い利用者の平均を出す
最初に、前年度(4月〜3月)の通い利用者の1日平均を出します。日中の必要人数は当日の利用者数でも定員でもなく、この平均をもとに決まるからです。
延べ利用者数とは、1日ごとに同時に通いサービスを受けた人数の最大値を合計したものです(短期利用の人も含む)。
前年度の日数で割り、小数点第2位以下を切り上げると今年度の基準値になります。開設・増床したばかりで前年度に1年分の実績がない場合は、開設(増床)からの期間で下の表の方法を使います。
| 状況 | 利用者数の出し方 |
|---|---|
| 前年度に1年分の実績がある | 前年度(4月〜3月)の延べ利用者数÷前年度の日数(365日または366日)。小数点第2位以下は切り上げ |
| 前年度の実績が1年未満で、開設・増床から1年以上 | 直近1年の延べ数÷1年の日数 |
| 開設・増床から6か月〜1年未満 | 直近6か月の延べ数÷6か月の日数 |
| 開設・増床から6か月未満 | 通いの利用定員の90%(届出時の見込数も可・最低3人以上) |
| 減床した場合 | 減床後3か月以上の実績があれば、減床後の数で計算 |
介護予防小規模多機能と一体で運営している場合は、両方の利用者数を合計して計算します。
和気町の集団指導資料に載っている例では、前年度の365日分の延べ利用者数の合計が2,847人でした。2,847÷365日=7.8人(小数第2位以下切り上げ)が基準に使う前年度の平均人数です。
今年度の利用が前年度の平均より少ないからといって配置を前年度平均より減らすと減算になる可能性があります。



延べ利用者数は、毎月の実績表から月ごとに集計しておくと、年度末に慌てず平均を出せます。
平均を3で割って必要な人数を決める
前年度の平均を3で割って端数を切り上げた数に、訪問の1.0を足すと日中の必要人数になります。基準が「3又はその端数を増すごとに1以上」なので、割り切れない分も1人として数えるからです。
たとえば平均7.8人なら通い3.0、12.4人なら通い5.0です。下の表に3つの例を示します。
| 前年度の平均 | 通いの必要人数(÷3・端数切り上げ) | 日中合計(通い+訪問1.0) |
|---|---|---|
| 7.8人(例として置いた数) | 7.8÷3=2.6→切り上げ3.0 | 4.0以上 |
| 12.4人(例として置いた数) | 12.4÷3=4.13…→切り上げ5.0 | 6.0以上 |
| 13.5人(開設5か月で定員15人×90%を使う場合の例) | 13.5÷3=4.5→切り上げ5.0 | 6.0以上 |
前年度の通い平均が9人ちょうどの事業所なら、9÷3=3.0で端数なし、通い3.0+訪問1.0=日中合計4.0以上です。
翌年度に平均が9.1人になると、9.1÷3=3.03…で端数切り上げ、通い4.0+訪問1.0=5.0以上になります。境目が少し上がっただけで必要人数が増えるのがこの計算のポイントです。
勤務時間を足し合わせて基準と比べる
職員ごとの勤務時間を足して常勤の勤務時間(週32時間を下回るときは32時間)で割ると、必要人数と比べられる数になります。日中の基準が常勤換算方法で決められているからです。
なお、併設先で働いた時間は小規模多機能の時間に入りません。
計算に出る言葉の意味は次の通りです。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 常勤の勤務時間 | 事業所の規定する時間。週32時間を下回る場合は32時間を使う |
| 育児・介護・治療などで所定労働時間の短縮措置を受けている人 | 週30時間以上の勤務なら常勤換算1として計算できる |
| 1人が算入できる上限 | 常勤の勤務時間が上限(超えた時間は計算に入れない) |
たとえば、常勤の勤務時間が週40時間の事業所で、フルタイム2人(各40時間)と週20時間パート2人(各20時間)が日中勤務しているとします。
勤務延時間数は40×2+20×2=120時間で、120÷40=3.0が常勤換算の数です。
比べる相手は日中の合計(通い+訪問1.0)なので、平均7.8人の事業所(必要4.0以上)なら1.0足りません。



常勤換算の計算は、勤務表と実績の両方で確認するのが確実です。勤務表では基準を超えていても、休暇・欠勤で実績が下がって減算になるケースがあります。毎月の実績を翌月初めに確認する習慣をつけておくと安心です。
人員基準欠如減算を出さない欠員の埋め方
人員基準欠如になると、利用者全員の報酬が100分の70になります。欠員の職種によって減算が始まる月が違うので、欠員が出たときにいつまでに埋めればよいかを知っておくことが大切です。
| 欠けた職種・状況 | 減算が始まる月 |
|---|---|
| 介護職員が必要数の1割を超えて不足 | 欠如があった翌月から |
| 介護職員が必要数の1割の範囲内で不足 | 翌々月から(翌月末日に解消すれば減算なし) |
| ケアマネジャー・看護職員が欠如 | 翌々月から(翌月末日に解消すれば減算なし) |
| 夜勤・宿直が2日以上連続か月4日以上欠如 | 翌月から |
「翌々月から」の欠員は、翌月末日までに埋めれば減算になりません。発覚したらすぐに後任確保を動かすことが重要です。
日中の必要人数(通いと訪問を合わせた常勤換算)が3.0以上の事業所で、実績が2.8だった月がありました。
不足が0.2÷3.0=約6.7%で1割以内なので、翌月末までに2.8から3.0へ戻せば減算なし、戻せなければ翌々月から減算です。
実績が2.6になると0.4÷3.0=約13.3%で1割超となり、翌月から減算になります。
ここでは欠員の場面ごとに3つ紹介します。
夜勤と宿直の穴は2日続く前に埋める
夜勤か宿直が欠けた夜が出たら、1日目のうちに次の夜の職員を手配すれば減算を止められます。夜間の職員は日中と違い、欠けた日数で減算が決まるからです。
欠けた夜が2日続くか、月に4日以上になると、翌月は利用者全員が減算になります。
たとえば1月に夜勤職員が1日目に欠けたとします。2日目に別の職員が対応できれば減算になりません。ところが2日目も欠けると2日連続で翌2月は全員減算になります。
埋める方法として、次のものがあります。
- 併設施設の職員に応援を依頼する
- 日勤職員に夜勤を1回増やしてもらう
- 泊まり予約がない夜は連絡体制で対応する
併設施設の職員に頼むときは、兼務できる施設か、勤務時間の合計が常勤の時間を超えないかを確かめてください。



夜勤や宿直が欠けたときに頼める職員の連絡先は、先にリストにしておくと動きが早くなります。
ケアマネや看護師の退職は保険者に先に相談する
退職の申し出を受けた時点で後任の見込みと研修の予定を保険者に相談すれば、翌々月からの減算を避けられる可能性があります。
ケアマネジャーと看護職員の欠如は翌々月から減算になり、欠如の翌月末までに人員が揃えば減算は発生しないからです。
後任のケアマネジャーが研修待ちでも、実践者研修を修了していて直近の研修に申し込んでいれば、保険者に前もって相談して対応できる場合があります。
たとえば2月中に退職して2月から欠如になった場合、減算は4月からです。3月末までに後任がそろえば減算は出ないので、退職の申し出を受けた時点で動き出すのがポイントです。



看護師が退職するときは、同一敷地内にある訪問看護事業所や地域密着型デイサービスの看護師との兼務も選択肢です。同一敷地内の事業所との兼務であれば省令上認められています。
利用が伸びた年は4月の必要人数を先に出す
1〜2月に今年度3月末までの見込みで来年度の必要人数を試算しておけば、4月に基準が上がっても採用が間に合います。前年度の平均が上がると4月から必要な通いの人数がそのまま増えるからです。
試算は今年度の延べ利用者数÷今年度の日数で求め、3月が終わったら確定した数で計算し直します。
前述の通り介護職員は介護福祉士などの資格がなくても配置できるので、日中だけ働ける短時間のパートタイムスタッフを先に確保して常勤換算を積む方法も使えます。
キャリアアドバイザー時代に、お子さんが小学生の間は日中の短い時間から働きたいという、ブランクの長い専業主婦の方を紹介したことがあります。
夜勤のない日中のパート枠なら、そうした方が応募しやすくなります。4月前に日中のパート枠で採用の準備を始めると間に合いやすいです。
小規模多機能型居宅介護で兼務できる職種
職種によって兼務できる範囲が異なります。
管理者は令和6年度改定から、別の敷地の事業所とも兼務できます。介護職員は併設の施設だけ、看護職員は同じ敷地内の事業所だけです。職種ごとに範囲が違うので確かめてください。
| 職種 | 兼務できる先 | 条件 |
|---|---|---|
| 管理者 | 同一事業者が運営する他の事業所・施設(地域密着型・居宅サービス等の種別を問わず、敷地も問わない) | 管理に支障がないこと |
| 介護職員 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・地域密着型特定施設・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人福祉施設(特養)・介護老人保健施設・介護医療院が併設 | 各施設が独自の基準を満たしていること |
| 看護職員 | 同一敷地内の居宅サービス事業所・定期巡回・地域密着型デイ・認知症デイ等 | 同一敷地内であること |
| 介護支援専門員 | 事業所内の他の職務・併設施設の職務(グループホームの計画作成担当者は除く) | 利用者の処遇に支障がないこと |
ここでは職種ごとに4つを紹介します。
管理者は他の事業所と兼ねられる
管理に支障がなければ、管理者は同じ法人の別の場所にある事業所の職務も兼ねられます。令和6年度改定で管理者の兼務先から同一敷地内という限定がなくなったからです。
たとえば、同じ法人が小規模多機能と別の事業所を別の建物で運営している場合、管理に支障がない範囲で両方の管理者を1人が兼ねられます。
サテライトの管理者を本体の管理者が兼ねることも認められています。ただし本体の管理者がサテライトの介護従業者として現場に入ることはできません。
| よくあるケース | 兼務の可否 |
|---|---|
| 同じ法人の別の場所にある事業所の管理者と兼務 | 管理に支障がなければ可 |
| サテライトの管理者を本体の管理者が兼務 | 可 |
| 本体の管理者がサテライトの介護従業者として入る | 不可 |
兼務先の事業所にも独自の人員基準があるので、両方を確認してください。居宅介護支援事業所なら、詳しくは居宅介護支援事業所の人員基準をご覧ください。
介護職員は併設の施設と兼ねられる
グループホームや特養などが「併設」されていれば、介護職員はその施設の職務も兼ねられます。省令が、併設施設がそれぞれの基準を満たしていることを条件に介護職員の兼務を認めているからです。
グループホームと小規模多機能を同じ建物で運営しているなら、介護職員が両方の仕事を担当できます。勤務表では、それぞれの事業所で働く時間を分けて書きます。
2つを足して常勤の時間(例:週40時間)を超える配置はできません。
たとえば週40時間フルタイムで働く職員が、月〜水は小規模多機能に20時間・木〜金はグループホームに20時間配置する勤務表を組めば、両方の事業所の要件を満たせます。合算が40時間以内なら兼務として認められます。
| よくあるケース | 兼務の可否 |
|---|---|
| 併設のグループホームで基準を満たしたうえで小多機と兼務 | 可 |
| 勤務表で時間を分けずに両方に同じ時間を計上 | 不可 |
| 離れた場所にある特養と兼務(併設でない) | 不可(併設が条件) |
看護職員は同じ敷地の事業所と兼ねられる
同一敷地内に訪問看護事業所や地域密着型デイサービスがあれば、看護師はそちらの職務も兼ねられます。省令が看護師又は准看護師に限り、同一敷地内の事業所との兼務を認めているからです。
介護職員の兼務先が「併設」なのに対し、看護職員の兼務先は「同一敷地内」が条件です。同じ法人でも建物が離れている場合は対象外になります。
たとえば同一敷地内に訪問看護ステーションがある場合、そこに勤める看護師が小規模多機能の看護職員を兼任できます。同じ法人でも別の敷地にある訪問看護ステーションとの兼任は認められません。
| よくあるケース | 兼務の可否 |
|---|---|
| 同一敷地内の訪問看護ステーションと兼務 | 可 |
| 同一敷地内の地域密着型デイサービスと兼務 | 可 |
| 同一法人だが別敷地の訪問看護と兼務 | 不可(同一敷地が条件) |
ケアマネは管理者や併設施設と兼ねられる
利用者の処遇に支障がなければ、ケアマネジャーは管理者や介護職、併設施設の職務と兼ねられます。省令と解釈通知が、事業所内の他の職務と併設施設の職務との兼務を認めているからです。
ただし、グループホームの計画作成担当者は除きます。
たとえば登録者が少ないうちは、ケアマネジャーが管理者を兼ねる体制で始めることもできます。
登録者が増えて計画作成が追いつかないと利用者の処遇に支障が出るので、人数が増えたら保険者に相談しましょう。
| よくあるケース | 兼務の可否 |
|---|---|
| 利用者の処遇に支障がない範囲で管理者と兼務 | 可 |
| 事業所内で介護職と兼務 | 可 |
| 併設グループホームの計画作成担当者 | 兼務は不可。ケアマネの非常勤の勤務時間外に、別の時間帯として勤務するのは差し支えない(国の介護サービス関係Q&A) |
サテライト型小規模多機能の人員基準
サテライト型とは、本体の小規模多機能事業所の支援を受けて運営する分場で、本体より少ない人数で開設できる仕組みです。
本体とサテライトの違いを下の表にまとめました。
| 職種・項目 | 本体 | サテライト |
|---|---|---|
| 登録定員 | 29人以下 | 18人以下 |
| 通いの利用定員 | 登録定員の1/2〜15人(上限は登録定員26・27人なら16人、28人なら17人、29人なら18人) | 12人以下 |
| 泊まりの利用定員 | 通いの利用定員の1/3〜9人 | 6人以下 |
| 日中の訪問 | 常勤換算1以上 | 常勤換算1以上(本体の職員で処遇が適切に行えると認められれば1人以上でよい) |
| 宿直 | 必要な数 | 本体の宿直で代えられる場合あり |
| 看護職員 | 1以上 | 本体の看護職員で代えられる場合あり |
| 計画作成担当者 | 計画作成担当者研修修了の介護支援専門員 | 本体のケアマネがケアプランを作るなら、研修修了者で可(下で説明) |
| 管理者 | 常勤専従(兼務可) | 本体の管理者が兼務できる |
「本体で代えられる」条件は、本体の職員が処遇を適切に行えると認められるときに限られます。計画を作る人にも例外があります。
本体の介護支援専門員が居宅サービス計画(ケアプラン)を適切に作るなら、サテライトには介護支援専門員の代わりに小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了者を置けます。
この修了者は小規模多機能型居宅介護計画の作成だけを担当し、介護支援専門員の資格は不要です。2つの計画は次のように分けて作ります。
- 居宅サービス計画:本体の介護支援専門員
- 小規模多機能型居宅介護計画:サテライトの研修修了者



本体の常勤換算に余裕があるかを確かめてから2か所目を検討してください。本体の人員が基準ギリギリでは、サテライトの訪問・宿直を本体で補う場面に対応できなくなります。
小規模多機能型居宅介護の人員基準でよくある質問
人員基準で迷いやすい5点に答えます。
まとめ|人員基準は前年度の平均から数える
小規模多機能型居宅介護の人員基準で押さえるべきことは次の通りです。
| 職種・区分 | 要点 |
|---|---|
| 日中の通い | 前年度平均÷3(端数切り上げ)+訪問1.0が最低ライン |
| 夜間 | 泊まりがある夜は夜勤1人と宿直。欠如が2日以上連続か月4日以上で翌月から減算 |
| 看護師 | 准看護師可・非常勤可・毎日不要 |
| ケアマネ | 計画作成担当者研修の修了が必須 |
| ケアマネ・看護師の欠如 | 翌々月から減算(翌月末までに解消すれば免除) |
| 管理者 | 常勤専従が原則。R6改定で別敷地兼務が可能に |



人員基準は、事業所が守る最低限の人数です。基準ちょうどで勤務表を組むと、1人休んだだけで基準を割るので、欠員が出たときに誰へ頼むかを先に決めておきましょう。
次の一手は2つです。
- 4月前に来年度の必要人数を計算する
- 欠員が出たら職種ごとの期限を確かめる
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参考文献
法令
省庁の通達・基準









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