デイサービスの簡単なおやつレク12選|季節ごとのおすすめ紹介

毎月おやつレクのネタが尽きて、また同じメニューを繰り返してしまう。季節感を出したいけれど、準備に時間をかける余裕がない。そんな悩みを抱えるデイサービスのスタッフは多いはずです。

キャリアアドバイザー時代、私は求職者と一緒に施設見学に同席する機会が多くありました。 その際に確認していたことのひとつが「どんなレクをやっているか」でした。なかでもおやつ作りを定期的に実施している施設では、利用者の方の表情が明らかに生き生きしていました。

この記事では、春夏秋冬の季節別メニュー・企画書の書き方・毎月のネタ切れを防ぐ運営のコツをまとめて解説します。 企画に使えるテンプレートも紹介しているので、そのまま現場で活用してください。

目次

デイサービスおやつレクの季節別メニュー

デイサービスおやつレクの季節別メニュー(春夏秋冬)と難易度の一覧。春はいちご大福・桜餅風白玉・花見だんご、夏は七夕ゼリー・牛乳寒天・フルーツポンチ、秋は蒸しパン・芋きんとん・かぼちゃプリン、冬はゼリー寄せ・抹茶白玉・いちごのムース

おやつレクの企画でよく聞く悩みが、季節感を出したいけれど何を作ればいいかわからないというものです。 ここでは春夏秋冬の4つに分けて、行事とセットで使えるメニュー例を整理します。

難易度は混ぜるだけ(加熱不要)・1工程加熱・複数工程の3段階で示します。

季節行事メニュー例難易度
春(3〜5月)ひな祭り・花見・こどもの日いちご大福・桜餅風白玉・花見だんご混ぜるだけ〜1工程加熱
夏(6〜8月)七夕・お盆七夕ゼリー・牛乳寒天・フルーツポンチ混ぜるだけ〜1工程加熱
秋(9〜11月)敬老の日・ハロウィン蒸しパン・芋きんとん・かぼちゃプリン1工程加熱〜複数工程
冬(12〜2月)クリスマス・正月・節分ゼリー寄せ・抹茶白玉・いちごのムース混ぜるだけ〜1工程加熱

春(3〜5月):桜やいちごを使う

春のおやつレクは、桜・いちご・よもぎなど色が映える食材を軸にすると、季節感が出やすくなります。

ひな祭り(3月)にはいちご大福を取り上げる施設が多いです。 餡を白玉粉で包む工程は混ぜる→丸める→包むの複数工程ですが、餡をあらかじめ施設側が準備しておけば、利用者の作業は白玉を丸めて包むだけになります。

丸める動作は手指の握力・巧緻性(細かい指の動き)を使うため、機能訓練の観点からも取り入れやすいメニューです。

4〜5月はいちごの旬が重なります。いちごを並べるだけの桜餅風のフルーツ白玉なら、加熱不要・混ぜるだけで完成します。 難易度が低いため、参加者全員が同じ工程を担当しやすく、新人スタッフでも進行しやすいのがメリットです。

花見シーズンに合わせたある施設の例です。塩漬け桜を白玉の上に飾るだけという工程で、見た目に季節感が出ます。 塩漬け桜はスーパーで購入できるため、追加の調理工程なしで春らしいメニューになります。このような1アイデアを知っているかどうかで、企画の選択肢が大きく広がります。

夏(6〜8月):冷やし系で熱中症対策をする

夏は熱中症対策として、水分を含む冷やし系メニューを選ぶことが重要です。 ゼリー・寒天・フルーツポンチは、食べながら自然に水分補給ができます。

七夕(7月7日)に合わせた七夕ゼリーは、透明ゼリーに星形の果物を入れるだけで完成します。 お湯に溶かして冷やすだけなので難易度は1工程加熱です。

固まった後に型から抜いてカップに盛り付ける工程を利用者に担当してもらうと、みんなで成果物を確認できる時間が生まれます。

牛乳寒天は牛乳を温めて寒天粉を溶かし冷やして固める1工程加熱のメニューです。固まった寒天を切り分ける工程は、力加減を調整しながら行う作業になるため、上肢の機能訓練としても活用できます。

ぺんすけ

夏場は水分補給の機会にもなるので、利用者の好みの果物を一緒に選ぶだけでも参加度が高まります。

秋(9〜11月):栗・芋で回想法を引き出す

秋のメニューは、芋・栗・かぼちゃなど昔ながらの食材が揃う季節です。 これらの食材は利用者が幼少期や現役時代に慣れ親しんだものであることが多く、回想法の場として機能しやすいとされています。

日本老年看護学会誌に掲載された研究では、回想法が認知症高齢者の心理的安定やコミュニケーション活性化に寄与することが示されています。

出典:日本老年看護学会誌(J-STAGE)

蒸しパンはホットケーキミックスと牛乳・卵を混ぜて電子レンジで加熱するだけで作れます。卵を割る・材料を混ぜるという工程を利用者が担当し、具材(さつまいも角切り・コーン・チーズ等)を各自が選んで乗せる形にすると、自分だけの蒸しパンができあがります。

ぺんすけ

秋は回想法の効果が高い季節です。「昔よく食べた」という個人の思い出をスタッフが引き出すような声かけをすることで、より良い体験になります。

敬老の日(9月第3月曜日)には、芋きんとん(ほくほくしたさつまいもを裏ごしして成形したもの)が定番です。 裏ごし済みのサツマイモペーストを購入しておけば、混ぜて丸めるだけのメニューになります。

冬(12〜2月):行事に合わせて餅を代替する

冬のおやつレクで悩みやすいのが、正月の餅です。 キャリアアドバイザー時代に施設見学に同席した際も、冬のメニュー選定で職員が悩んでいる場面を見かけることがありました。

利用者の方が正月らしい食べ物を楽しみにしている一方で、安全面からどこまで対応できるか判断に迷う。 それが現場の正直なところだと思います。

消費者庁のデータによると、餅による窒息死のうち43%が1月(特に正月三が日)に集中しています。

出典:消費者庁「高齢者の窒息事故」

ぺんすけ

正月は家族の期待も大きいので、安全と見栄えの両方を満たすメニューを事前に検討しておきましょう。

餅の代替として扱いやすいのが、白玉やゼリー寄せです。白玉は混ぜて丸めるだけで完成するメニューで、もちもちとした食感を楽しめます。ただし、白玉も飲み込みにくい食材に入ります。

利用者ごとの嚥下(えんげ:食べ物を飲み込む機能)の状態は、言語聴覚士・管理栄養士・介護支援専門員に確認してください。

クリスマス(12月)にはいちごのムース、節分(2月)にはきな粉ミルク寒天など、行事に合わせた食材の色を意識するだけでメニューの印象が大きく変わります。 どちらも混ぜるだけ〜1工程加熱で完成します。

ぺんすけ

冬のメニューは「正月らしさ」と「安全性」のバランスが難しい季節です。家族の期待を裏切らず、現場の安心も守れるメニューを事前に検討しておくことが大切です。

おやつレクの企画書の書き方

おやつレクを継続的に運営していくうえで、企画書(活動計画書)の作成は欠かせません。記録がなければ振り返りができず、毎月ゼロから考え直すことになります。

企画書は「何を・誰に・どう提供するか」を事前に整理するためのツールであり、新人スタッフがいきなり担当になっても迷わないための引き継ぎ書にもなります。

企画書は項目ごとにまとめておく

おやつレク企画書の8項目(タイトル・実施日時・所要時間・対象者・ねらい・準備物・安全注意事項・人員配置・評価記録)を順番に埋めるブロック図

企画書に必要な項目は8つです。まずこの8項目の枠を用意し、順番に埋めていく形で作成します。

項目記入内容の例
タイトル七夕おやつレク〜七夕ゼリーを作ろう〜
実施日時・所要時間2026年7月7日(火)14:00〜15:00(60分)
対象者通所利用者全員(要注意:嚥下状態の確認が必要な方は別対応)
ねらい七夕の行事を通じて季節感を感じる。手指を動かす機会を確保する
準備物ゼリーの素・果物(みかん缶・桃缶)・カップ・スプーン・星形抜き型
安全注意事項ゼリーは小さく崩してから提供。飲み込み困難な方は要確認
人員配置担当スタッフ2名(進行1名・補助1名)
評価記録実施後に記入(次項参照)

タイトルは行事名+メニュー名の形にしておくと、後から振り返るときに内容がすぐわかります。 対象者の欄には、嚥下状態の確認が必要な方を明記しておくと、担当スタッフが複数いる場合でも安全の引き継ぎができます。

準備物は材料・調理器具・提供器具の3グループに分けて書いておくと、当日の準備漏れを防げます。人員配置は進行(説明・段取り担当)と補助(個別対応・配布担当)の2名体制が基本です。

ぺんすけ

企画書がないと、その都度口頭で説明することになり、時間的負担も大きくなります!

実施後の評価欄で改善サイクルを回す

企画書の最後に評価記録欄を設けることが、翌月以降の企画の質を高める鍵になります。

以下の3つの欄を評価記録として残してください。

評価欄記入内容の例
利用者の反応丸める工程を楽しんでいる方が多かった。特定の方が七夕の思い出を話してくれた
改善点カップが倒れやすかったため次回は台座を用意する。事前準備に30分かかったため早めに着手する
次月への活用案同じゼリー系を8月もアレンジして使える。秋の栗メニューに回想法の切り口を取り入れる

この3欄を記入するだけで、メニューの良し悪しだけでなく、誰がどんな反応をしたか・次回どう改善するかという具体的な情報が記録に残ります。毎月の評価欄が蓄積されていくと、利用者ごとの得意な工程や好きな食材のパターンが見えてきます。

ぺんすけ

施設見学でお話を聞くと、評価記録を残している施設ほど「来月は何をやろう」で悩む時間が短い印象でした。記録は手間に見えて、翌月の自分を助ける投資になります。

おやつレクのネタ切れを防ぐ運営のコツ

毎月のおやつレクで何より困るのがネタ切れです。 簡単に言うと、毎月ゼロから考えるから毎月ネタが尽きるのです

キャリアアドバイザー時代に転職を検討している介護職の方から話を聞いていた中で、デイサービスの転職をためらう理由のひとつとして「レクの企画がどう担当が回っているかが不安」という声が何度も出ていました。

仕組み化されていない施設では、その都度担当者が一人で考えることになります。介護現場のスタッフは日々の業務で使える時間が限られているため、おやつレクの企画に割けるリソースも同様に限られます。

仕組み化してしまえば、その都度ゼロから考える必要がなくなります。知っているかどうかで差がつく運営のポイントです。

それぞれ具体的に説明します。

年間12本の企画を先に決めておく

ネタ切れを防ぐ最も効果的な方法は、年度初めに1年分の骨格を先に決めてしまうことです。 具体的には、四季×3ヶ月で12本のメニューを先に割り当てます

行事メニュー(仮)
4月花見花見だんご or いちご白玉
5月こどもの日柏餅風白玉 or 抹茶ゼリー
6月梅雨梅シロップ寒天 or レモンゼリー
7月七夕七夕ゼリー
8月お盆フルーツポンチ or かき氷風ゼリー
9月敬老の日芋きんとん or さつまいも蒸しパン
10月ハロウィンかぼちゃプリン
11月秋の味覚栗きんとん or 栗蒸しパン
12月クリスマスいちごムース
1月正月(餅代替)白玉ぜんざい(白玉少量・つぶあん多め)
2月節分きな粉ミルク寒天
3月ひな祭りいちご大福風白玉

年度初めに表を作り、メニュー名だけを埋めておきます。詳しいレシピや材料の確定は実施の2週間前でも間に合います。

何を作るかの決断だけ先に済ませておくことで、毎月の準備の心理的負担が大幅に減ります。

ある施設では、年度初めの会議で翌年3月までの12本を決めてしまうことを習慣にしています。行事欄に既定のイベントを入れて、対応するメニューをスタッフが持ち寄るだけです。 この作業だけで、毎月のメニュー選びに悩む時間がなくなります。

メディア運営者

私が介護専門のキャリアアドバイザーをやっていた頃、実際にあった施設です。レクが事前に決まっているので、現場スタッフの負担も軽くなったとおっしゃっていました。

難易度を3段階に分類して使い回す

おやつレクの難易度3段階分類(混ぜるだけ・1工程加熱・複数工程)の比較図。各段階の定義とメニュー例

年間12本を先に決めたら、次に各メニューを難易度で分類します。

難易度を意識しておくと、担当スタッフの経験・時間・当日の人員数に応じてメニューをスワップできるようになります。

難易度定義メニュー例
混ぜるだけ(加熱不要)材料を混ぜて冷やすだけ。火器不要ゼリー・寒天・フルーツポンチ・ムース
1工程加熱加熱が1回だけ。あとは混ぜるか冷やすだけ蒸しパン・牛乳寒天・芋きんとん
複数工程加熱・混ぜ・成形などが複数あるいちご大福・クッキー・たこ焼き風チョコ

複数工程のメニューは工程を分割して利用者に担当してもらうことで、混ぜるだけ相当の負担で実施できることがあります。たとえばケーキの生地作りはスタッフ、飾り付けは利用者のように役割を分けると、複数工程メニューでも現場負担を抑えられます。

難易度が低い混ぜるだけメニューを年間の半数以上(6〜7本)に設定しておくと、人手が少ない日や新人スタッフが担当する日でも安定して実施できます。 残りの5〜6本を1工程加熱・複数工程にすることで、季節の山場(敬老の日・クリスマス)に見栄えのするメニューを組み込む余地が生まれます。

ぺんすけ

難易度の低いメニューばかりでは「また同じ感じ」と感じられますし、高いメニューばかりでは現場が疲弊します。バランスが運営の続きやすさを決めるポイントです。

まとめ

この記事で解説した内容を整理します。

おやつレクの季節別メニューは、春夏秋冬の行事に合わせて難易度3段階(混ぜるだけ・1工程加熱・複数工程)を意識して選ぶことで、スタッフの準備負担と安全管理の両方を同時に整えられます。

企画書は8項目(タイトル・日時・対象者・ねらい・準備物・安全注意事項・人員配置・評価記録)を順番に埋めるだけで完成します。実施後の評価欄を習慣にすることで、改善のサイクルが自然に回り始めます。

毎月のネタ切れを防ぐには、年度初めに12本の骨格を先に決め、難易度別に分類して使い回す仕組みを作ることが有効です。毎月ゼロから考えることをやめれば、企画にかかる時間を大幅に短縮できます。

ぺんすけ

まず来週のおやつレク1本の企画書を8項目で書いてみてください。 その習慣が、施設全体の企画文化を変えていく第一歩になります。

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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