介護ワーカー経由で採用が決まった。しかし手数料の請求書を見て驚いた経営者は少なくないはずです。
次の採用でも同じコストがかかるのか。半年以内に辞めたら返金されるのか。 そもそも業界の相場はどのくらいなのか。
こうした疑問を解消しないまま採用を続けると、採用コストが積み上がって経営を圧迫します。
本記事では以下の順で解説します。
- 介護ワーカーの手数料の仕組み
- 手数料の計算方法と業界相場について
- 介護ワーカーの返金制度と法令の関係
- 採用コストを下げる方法
ぜひ参考にしてみてください。
介護ワーカーの成功報酬型手数料の仕組み

介護ワーカー(株式会社トライトキャリア運営)の紹介手数料は、成功報酬型の課金方式です。 求職者と施設のマッチングが成立し、採用が決定した時点で初めて費用が発生します。
重要なのは、誰が手数料を負担するかという構造です。以下のテーブルで整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課金のタイミング | 採用決定(入職)後 |
| 手数料の負担者 | 採用した施設(事業者)側 |
| 求職者の負担 | なし(無料) |
| 料率の根拠 | 職業安定法の届出制に基づく当事者間の合意 |
この仕組みは介護ワーカーに限らず、有料職業紹介会社全般に共通します。 どの料率を届け出るかは、職業安定法の範囲内で各社が決める仕組みです。
私はレバウェル介護でキャリアアドバイザーをしていた時期に、この手数料の流れを実務の中で理解しました。求職者の転職が決まった施設から、紹介業者への報酬が動く仕組みです。 求職者には1円も請求されない一方で、施設側のコスト負担は採用1件ごとに発生します。
求職者は無料・費用は施設が全額負担する
職業安定法第32条により、有料職業紹介会社は原則として求職者から手数料を取れません。
介護ワーカーを経由して採用した場合、手数料は施設が全額負担します。求職者は転職サポートを無料で受けられる一方、施設側が全費用を持つ構造です。
採用成立まで費用はかからない
成功報酬型の最大の特徴は、求人掲載や候補者紹介の段階では費用が発生しない点です。採用が成立しなければ、施設は1円も支払う必要がありません。
ぺんすけつまり、面接までやったけど採用に至らなかったケースなどは、一切費用が発生しません!
求人サイトへの掲載費とは、この点で大きく異なります。採用前段階でのコストリスクを回避できる点が利点の一つです。 ただし採用が決まった場合、1件あたりの費用は大きくなる傾向があります。
紹介手数料の計算と相場について


手数料の計算式は「理論年収×料率」が基本です。
理論年収とは、月給・各種手当・賞与を年換算した合計額を指します。
紹介手数料 = 理論年収 × 料率(%)
料率がいくらになるかが、施設経営者にとって最も気になるポイントです。
業界相場は年収の30〜35%が目安
介護ワーカー(トライトキャリア)の料率は公式サイトでは公表されていません。 複数の転職メディアでは理論年収の約35%とされています。
介護業界全体の相場としては、複数のメディアが理論年収の30〜35%前後を目安として掲載しています。



介護専門のキャリアエージェントとして働いてきましたが、紹介会社によって手数料は全く異なります!もし利用するなら、それぞれサービスの紹介手数料を事前に聞くようにしましょう。
届出制では、有料職業紹介会社は料率を厚生労働省に届け出れば自由に設定できます。実務上は50%超の料率は受理されにくく、多くの会社が30〜35%の範囲で届け出ています 。
全国老人福祉施設協議会(老施協)の2023年度調査では、介護福祉士(常勤)1人あたりの 平均紹介手数料は89万円でした(対象430施設・920人)。この調査は老施協会員が対象で、特別養護老人ホーム中心の数値という点に留意が必要です。



特養は介護施設の中でも給与水準が高いです。例えばデイサービスなど他の施設を含めると、もう少し手数料が安くなる可能性が高いです!
年収240万で手数料約84万円になる



多くの事業者が驚くのは「手数料がこんなに高いのか」という点です。その理由は、有料職業紹介会社が成功報酬型で回転数に頼っているためです。
介護士の年収水準は施設の規模や地域によって異なりますが、ここでは具体的な計算例を示します。
計算例:
年収240万円の介護士を1名採用した場合、紹介手数料の目安は「240万円 × 約35% = 84万円」です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 理論年収 | 240万円 |
| 料率(複数転職メディアが示す目安) | 約35% |
| 紹介手数料の目安 | 240万円 × 35% = 84万円 |
この1名分の手数料で、施設のホームページを制作・リニューアルできる水準です。 2名採用すれば168万円、3名なら252万円となります。 複数名を紹介会社経由で採用し続けると、年間の手数料が採用費用の大部分を占めるケースもあります。
老施協R5調査では、回答2,032施設が昨年度に支払った手数料の総額は14億3,600万円に上りました。100万円超を1件以上支払った施設は全体の33%(430施設中142施設)で、最高額は220万円でした
年収別の目安を以下のテーブルで整理します。
| 理論年収 | 手数料の目安(35%) | 手数料の目安(30%) |
|---|---|---|
| 200万円 | 70万円 | 60万円 |
| 240万円 | 84万円 | 72万円 |
| 280万円 | 98万円 | 84万円 |
| 320万円 | 112万円 | 96万円 |
※複数の転職メディアが示す目安をもとに算出。介護ワーカーの公式料率は非公表です。
サービスによって紹介手数料は数%しか異なりませんが、その数%で支払う手数料の金額は大きく変わります。年収320万円で仮定しても、紹介手数料の5%の違いが16万円の差を生みます。
紹介手数料の返金制度と法令について


採用した職員が短期で辞めてしまうと、手数料が丸ごと持ち出しになります。 法令と認定制度の両面から整理します。



紹介会社との契約書に返戻条件が明記されていない場合、「返金されない」と判断されるケースが多い。採用を決める前に、必ず契約書で返金の有無と期間を確認してください。
返金規定に関しては、契約書に「1ヶ月目までは◯%返金、2ヶ月目までは◯%返金、3ヶ月目までは◯%返金」のように記載されているケースが多いです。
6ヶ月以内の離職は返金対象になる
厚生労働省が主導するJESRA認定(医療・介護・保育分野の適正有料職業紹介事業者認定制度)では、 認定基準の一つとして「採用後6ヶ月以内に離職した場合の手数料返戻」が定められています。
ただし返金の条件・割合は各社の契約内容によって異なります。 全額返金されるケースもあれば、期間に応じて按分する場合もあります。契約を結ぶ際は、保証条件を必ず契約書で確認するようにしましょう。
老施協R5調査では、人材紹介で採用した職員のうち採用半年以内の退職が985人中566人(57.4%)でした。 早期離職が重なると手数料の持ち出しが増えます。 返戻金制度の有無と条件は、採用前に必ず確認してください。
早期離職コストのシナリオ例を、紹介しておきます。
年収240万円の介護士を採用し、手数料84万円を支払ったが、入職から4ヶ月後に退職した。返戻金制度がある場合は契約条件次第で一部または全額が返金されるが、制度がない場合は84万円が全額持ち出しとなる。同じケースでもう1名採用すると、年間の紹介手数料総額は168万円超になる。早期離職が繰り返されると、採用コストが経営を圧迫する。



もし短期離職が心配であれば、まずは派遣で人員を補充して、長期就業が望めそうであれば直接雇用切り替えを派遣会社に打診するのも一つです!
介護ワーカーは適正認定を取得済み
株式会社トライトキャリア(介護ワーカー)はJESRA適正事業者認定を取得しています。 認定番号は介護分野で02014(2)です。
2024年3月時点で、医療・介護・保育の3分野の認定数は49社、カバー率は約40%です。認定会社は返戻金制度の条件が明示されやすく、施設経営者の判断材料の一つになります。



介護ワーカーのご利用を考えている方は、事前に返戻金制度について確認することをおすすめします!
また2025年4月から職業安定法の改正により、有料職業紹介会社が職種ごとの平均手数料率をハローワークに公表することが義務化されました。 今後は料率情報が確認しやすくなる見込みです。
出典:JESRA「適正事業者認定一覧」、メディカルサポネット「適正事業者認定制度の解説」
紹介手数料に頼らない採用力の高め方


介護ワーカーをはじめとする人材紹介会社は、急ぎの採用には大きな力を発揮します。 一方で1件あたりの手数料は決して小さくなく、採用のたびにコストが積み上がります。
私がレバウェル介護でキャリアアドバイザーをしていたとき、求職者に施設を紹介する前に必ず施設のホームページを確認していました。 特に印象的だったのは、1日の業務タイムスケジュールが掲載されている施設でした。 デイサービスの求職者は「1日の流れを教えてください」と必ず聞いてくるので、事前にホームページで確認できると紹介の熱量が上がりやすかったのです。
逆にホームページがない施設は、伝えられる情報が限られ、求職者が半信半疑になる結果につながります。情報が整っている別の施設を優先して紹介するケースが自然と増えていきました。
採用コストを中長期的に下げるには、紹介会社に頼る割合を下げながら、 自社への応募を増やす仕組みを作ることが重要です。
採用情報をホームページ上でも掲載する
ハローワークに求人を出すだけでは、求職者は施設の実態を知ることができません。 給与・シフト・職場の雰囲気・スタッフの年齢層など、こうした情報をホームページで公開すれば、 候補者が事前に施設を調べられる状態になります。
また採用に強いホームページに共通しているのは、働く人の顔が見える点です。 スタッフの写真・一日の業務の流れ・キャリアパスが掲載されている施設は、 見学や面接のキャンセル率が下がる傾向があります。ミスマッチが減れば、早期離職も減らせます。



求人票では職場環境がわからないので、ホームページで詳しく説明することが大事です。実際に働いている方のインタビューなどが載っているサイトは、求職者からの評価が高かったという経験もあります!
ホームページが採用に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しています。
ハローワーク×ホームページで採用コストを削る



ハローワークだけで採用が決まるケースは、正直なところ限定的です。でもホームページを足すと、直接応募の道が開きます。
ハローワークへの求人掲載は無料です。 ただしハローワークだけでは情報量が限られ、求職者が施設の詳細を知る手段がありません。
ホームページと組み合わせることで、ハローワークで施設名を知り、 ホームページで詳細を確認して応募するという動線が生まれます。特にデイサービス・訪問介護など地域密着型の施設では、地域での認知度が採用の決め手になりやすいです。
紹介会社経由の採用1件あたりの手数料は84万円前後(年収240万円ベースで試算)です。 ホームページ制作への初期投資は施設の規模によっては同水準かそれ以下で収まります。
直接応募が来る仕組みを一度作れば、採用のたびに手数料が発生する構造から抜け出せます。
まとめ
本記事の要点を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料の仕組み | 成功報酬型・採用決定時のみ発生・施設が全額負担 |
| 相場の目安 | 理論年収の30〜35%前後(複数メディア参照)。年収240万円なら約84万円 |
| 返金制度 | JESRA認定会社は6ヶ月以内離職で返金対象。契約書で条件要確認 |
| 採用コスト削減 | ホームページ整備+ハローワーク活用で直接応募の仕組みを作る |
介護ワーカーの紹介手数料は、公に発表されていないため、「何%」と明示することはできません。業界の相場でいくと、理論年収の30〜35%前後と考えられます。
紹介手数料について気になる方は、介護ワーカーにぜひ直接問い合わせてみてください。
人材紹介会社は採用スピードを上げる有力な手段です。 一方で手数料の構造を把握したうえで、自社採用との使い分けを考えることが経営判断として重要です。
もし紹介手数料を徐々に抑えていきたいなら、自社の採用サイトを作ったり、ホームページを作って、直接応募で人が集まる仕組みを作ることが大切になってきます。
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