介護タクシーのフランチャイズのメリット・デメリット6選

「介護タクシーを始めたいけれど、許可の申請から集客まで一人でできるか不安。かといって、フランチャイズに毎月お金を払って元が取れるのかも分からない」。

本部の説明会に申し込む前に、加盟すると得なのか損なのかを整理しておきましょう。

結論から言うと、加盟すれば許可の申請や集客、研修の支えが得られる代わりに、毎月の支払いと契約の縛りが付きます。ただし、加盟しても許可は自分の名前で取るなど、変わらないこともあります。

本部の金額と支援の内容は、各本部の公式サイトの2026年10月1日時点の記載をもとにしています。

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目次

介護タクシーのフランチャイズと個人開業の違い

加盟と個人開業の違いは、本部の支えがあるかどうかと、毎月の支払いがあるかどうかの2点に集まります。6つの項目を表にすると、次のとおりです。

項目フランチャイズに加盟個人で開業
初期費用加盟金と車両などの費用。加盟金は本部ごとに違う加盟金はなし。車両などの費用
月々の支払いロイヤリティ(本部へ払い続けるお金)か年会費本部への支払いなし
申請の手間書類づくりを本部が手伝う本部がある。許可は自分の名前で取る自分で書くか、行政書士に頼む
集客本部の看板、配車の仕組み、ホームページの支援がある本部もある地図への登録、ホームページ、ケアマネジャーへの営業を自分で行う
違約金契約期間内にやめると発生する場合があるなし
営業区域許可で原則都道府県単位。本部との契約には別に募集地域の決まりがある許可で原則都道府県単位

差が出るのは「支え」と「支払い」で、変わらないのは「許可」と「営業区域」です。

介護タクシーのフランチャイズに加盟すると、申請の手伝い・集客・研修という支えと、加盟金・ロイヤリティ・違約金という支払いが変わる。許可は自分の名前で取り、営業区域は許可で原則都道府県単位のまま変わらない
ぺんすけ

簡単に言うと、加盟は「手伝ってもらう代わりに払い続ける」契約です。加盟金の安さより、毎月何をしてもらえて、いくら払うのかで比べましょう。

介護タクシーのフランチャイズに加盟するメリット

フランチャイズの本部は、公式サイトで申請の手伝いや集客、研修などの支援を案内しています。本部ごとに中身が違うので、書かれている内容は「本部の案内では」と断って紹介します。

ここでは、加盟するメリットを3つ紹介します。

許可申請の書類作りを本部が手伝ってくれる

許可の申請書類は、本部が作るのを手伝ってくれる場合があります。個人で開業すると、許可の書類は自分で書くか、行政書士に頼むことになるからです。

本部の案内にある申請の支援は、次のとおりです。

本部本部の案内にある申請の支援
介護タクシーしえんた経営許可や運賃の申請、運輸開始の届出(営業を始める前に運輸局へ出す届け)などのサポート
ライフドア書類の作成と運輸局(許可を出す国の窓口)への申請を本部が代行
あおい木タクシーグループ専門の行政書士と司法書士を紹介し、申請を代行

運賃も、許可と同じく自分で申請して認可を受けます。運賃の決め方は、介護タクシーの料金設定の決め方にまとめています。

ぺんすけ

書類づくりを手伝ってもらえても、申請する人は自分です。手伝ってもらう範囲が、書類づくりだけなのか、運輸局への提出までなのかは、本部で違います。

本部の看板と配車の仕組みから依頼が届く

本部の看板や配車の仕組みを通じて、依頼が届く場合があります。開業したばかりの介護タクシーは、まだ誰にも知られていないからです。

本部の案内にある集客の支えは、次の3つです。

  • あおい木の相互配車ネットワーク
  • 介護タクシービスタのコールセンター経由の依頼
  • 介護タクシービスタが用意するホームページとLINE

相互配車とは、加盟店どうしで依頼を回し合う仕組みのことです。どれも本部の案内に書かれている内容で、依頼がどれだけ届くかは公式サイトからは分かりません。

ぺんすけ

Web制作の立場から言うと、本部が作ったホームページや電話番号が、やめたあと誰のものか、写真や料金を自分で直せるかは契約前に確かめたい点です。自分のものにならないと、集客の土台が手元に残りません。

集客の土台を手元に置くなら、料金や対応範囲を自分で直せるホームページが、依頼の入口として長く使えます。

私たちTeraceは、ノーコードのWeb制作ツール「Studio」のStudio Expertsに加盟しています。

パソコンに不慣れな方でも、料金や対応範囲を自分で直しやすいホームページづくりが得意です。ホームページ制作をご検討中の方は、ぜひ介護タクシー専門のホームページ制作をご覧ください。

研修と開業後の相談先がそろう

研修と開業後の相談先が、加盟金に含まれる本部があります。未経験から始める人が、学ぶ場と困ったときの相談先を最初から確保できるからです。

本部の案内にある研修と相談の支えは、次のとおりです。

本部本部の案内にある研修と相談の支え
ハッピーハートグループ初任者研修、救急救命講習、福祉搬送講習などの研修
あおい木タクシーグループ研修費用を加盟金に含む
介護保険タクシー事業会開業後のサポートと、介護報酬の請求(レセプト)のサポート

研修の中身や回数は本部ごとに違うので、説明会で確かめましょう。

介護タクシーのフランチャイズに加盟するデメリット

許可申請の手伝い・集客・研修の支えには、それぞれ引き換えの条件が付きます。条件の中身は本部ごとに違うので、公式サイトの記載をもとに見ていきます。

メリット3つとデメリット3つの対応は、次の図のとおりです。

介護タクシーのフランチャイズに加盟するメリット3つ(許可申請の書類作りを手伝ってもらえる、看板と配車の仕組みから依頼が届く、研修と開業後の相談先がそろう)とデメリット3つ(ロイヤリティを払い続ける、途中でやめると違約金がかかる場合がある、本部の募集地域の外では加盟できない)を左右に並べた図

ここでは、加盟するデメリットを3つ紹介します。

ロイヤリティを払い続ける

加盟すると、契約している間ずっとロイヤリティを払い続けます。ロイヤリティとは、本部の看板や仕組みを使う代わりに、本部へ払い続けるお金のことです。

加盟時に払うお金と、2年間に本部へ払うお金を、本部ごとに並べます。個人で開業すると、どちらも本部へは払いません。

加盟金を除いて2年間に本部へ払うお金の比較。あおい木タクシーグループ4万円、ハッピーハートグループ192,000円、介護タクシーしえんた1,125,000円、ライフドア120万円(月売上50万円の場合)、個人で開業0円
本部加盟時に払うお金2年間に本部へ払うお金
ハッピーハートグループ30万円(税の表記なし)192,000円(月8,000円×24か月・税別)
あおい木タクシーグループ40万円(税別)4万円(年会費2万円×2年)
介護タクシーしえんた非公開1,125,000円(月5万円・初年度の3か月は25,000円)
ライフドア0円売上の10%(月売上50万円なら2年で120万円)
個人で開業0円0円

個人で開業の0円は、本部へ払う額です。車両や備品、許可の登録免許税3万円は、加盟でも個人でもかかります。許可申請を行政書士に頼むと、確認した事務所では11万円〜(税込)などの報酬が別にかかります。

売上の割合で払う方式は、売上の見込みで払う額が決まります。1日にどれだけ売れるかの目安は、介護タクシーの1日の売上で確かめられます。

たとえば、月の売上が50万円なら、売上の10%のロイヤリティは50,000円です。
売上が増えれば、払う額も増えます。50万円は説明用の仮の金額です。

途中でやめると違約金がかかる場合がある

契約期間の途中でやめると、違約金がかかる場合があります。ハッピーハート、しえんた、あおい木の3つは、契約期間を2年と案内しているからです。

違約金の式を公式サイトで公開しているのは、確認できた中ではしえんたの1つだけです。しえんたの案内では、2年以内に解約すると、残りの期間×55,000円が違約金になります。

しえんたの違約金。契約期間24か月のうち12か月目で解約すると、残り12か月×55,000円で違約金は660,000円

たとえば、残りの期間が12か月なら、12か月×55,000円で660,000円です。
この計算は、しえんたの公式サイトに書かれている例のとおりです。

ほかの本部は、公式サイトに違約金の記載がありません。契約前に、中途解約の条件と違約金の額を書面でもらうよう、自分から頼みましょう。

公正取引委員会のガイドラインは、本部が中途解約の条件を募集のときに説明することが望ましいとしています。望ましいとされているだけで、本部に開示の義務があるとは書かれていません。

本部の募集地域の外では加盟できない

本部が募集している地域の外では、その本部に加盟できません。募集の地域を決めて、加盟店を募っている本部があるからです。

本部の案内にある募集地域は、次のとおりです。

  • ハッピーハートは千葉県全域
  • あおい木は近畿全域

ハッピーハートは、東京都・神奈川県・埼玉県・茨城県を応相談としています。制限の裏返しとして、しえんたは1エリアに一人だけの契約を確約すると案内しています。

営業したい県が募集地域に入っているかを、最初に確かめましょう。

介護タクシーのフランチャイズ本部ごとの費用

ハッピーハート・あおい木・しえんた・ライフドアの4本部を含む、確認した10団体の公開条件です。加盟金とは、加盟するときに本部へ払うお金のことです。

月々・年ごとの支払いは、ロイヤリティ(本部へ払い続けるお金)か年会費のことです。公式サイトに書かれていない項目は「非公開」とし、ポータルサイトの数字では埋めていません。

本部加盟時に払うお金月々・年ごとの支払い
ハッピーハートグループ加盟金30万円(2年分の年会費を含む。税の表記なし)月8,000円(税別)
介護タクシーしえんた非公開月50,000円(初年度の3か月は25,000円)
介護保険タクシー事業会契約金60万円(介護タクシー)。介護保険タクシーは150万円か250万円非公開
あおい木タクシーグループ加盟金40万円(税別・研修費を含む)年会費2万円
ライフドア加盟金・契約金・研修費は0円売上の10%
介護タクシービスタ非公開非公開
なないろ光非公開月額固定(金額は非公開)
福祉移送ネットワークアイラス非公開非公開
エマジェン(開業支援)非公開非公開
全日本介護タクシー開業サポートグループ(開業支援)2021年の公式ブログでは加盟金なし2021年の公式ブログではロイヤリティなし。会費なし

加盟金の安さだけで選ぶと、2年分のロイヤリティで逆転することがあります。加盟金が0円でも、月売上50万円と仮に置いたライフドアは、2年で120万円を払います。

加盟金40万円のあおい木が2年で払うのは、年会費の4万円です。

加盟金とロイヤリティのほかに、車両や備品の費用がかかる本部もあります。ライフドアは、初期設備費を約80〜250万円と案内しています。

フランチャイズに加盟しても変わらない開業の条件

加盟するのは、許可の書類や開業の段取りを手伝ってもらう契約です。本部の看板で走るように見えても、法律上の条件は個人で開業するときと同じです。

本部が手伝えるのは許可の書類づくりと開業の段取り。許可を自分の名前で取ること、介護保険を使うなら法人が必要なこと、営業区域が運輸局の許可で決まることは加盟店が自分で負う

ここでは、加盟しても変わらない3つの条件を紹介します。

許可は加盟店が自分の名前で取る

介護タクシーの許可は、加盟店が自分の名前で取ります。道路運送法で、旅客を運ぶ事業を経営する人が国土交通大臣の許可を受けると決まっているからです。

本部の許可を借りて走る形は、とれません。道路運送法は、事業の名義を他人に使わせることも、事業を貸し渡すことも禁じています。

許可を受けるときに国へ納める登録免許税は3万円で、加盟しても自分の申請にかかります。

ケース許可の名義
加盟店が自分の名前で許可を申請する認められる
本部が書類づくりを手伝い、申請する人は加盟店本人認められる
本部の許可を借りて、加盟店が走る認められない

介護保険を使うなら加盟しても法人が必要

介護保険を使うなら、加盟しても法人が必要です。介護保険の事業者の指定を受けられるのは、法人に限られるからです。

介護保険を使う場合とは、訪問介護の事業者として指定を受け、通院等乗降介助という、病院への乗り降りを手伝う介護保険のサービスを行う場合のことです。

介護保険を使わない介護タクシーなら、個人事業主で始められます。

ケース法人が必要か
介護保険を使わない介護タクシー個人事業主で始められる
通院等乗降介助で介護保険を使う法人が必要
本部に加盟して介護保険を使う法人が必要。加盟しても同じ

すでに法人があれば、法人をつくる費用はかかりません。法人をつくるときは、登録免許税だけで、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円かかります。

会社のきまりを公証人に認めてもらう定款の認証の手数料などは、別にかかります。

営業区域は本部でなく運輸局の許可で決まる

営業区域は、本部ではなく運輸局(許可を出す国の窓口)の許可で決まります。福祉輸送の営業区域は、原則として都道府県の単位で決められているからです。

営業区域とは、許可を受けた事業者が客を乗せて営業できる範囲のことです。本部の募集地域やエリア契約は、本部との契約の取り決めで、許可の営業区域とは別の話です。

たとえば、営業所を千葉県に置いて許可を取ると、営業区域は原則として千葉県の単位です。ほかの県に本部があっても、この決まりは変わりません。

まとめ|介護タクシーのフランチャイズは支援と支払いで比べる

加盟して得られるメリットは、次の3つです。

  • 許可の書類作りの手伝い
  • 本部の看板と配車の仕組み
  • 研修と開業後の相談先

引き換えに付くのは、次の3つです。

  • ロイヤリティ(本部へ払い続けるお金)の支払い
  • 途中解約の違約金
  • 本部の募集地域の制限

変わらないのは、許可を自分の名前で取ること、介護保険を使うなら法人が必要なこと、営業区域が許可で決まることです。自分に当てはまるほうを選んで、決めてOKです。

加盟が向く人
  • 許可申請も営業も初めて
  • 毎月払っても相談先が欲しい
個人開業が向く人
  • 行政書士に頼めば申請は済む
  • ケアマネとの付き合いがすでにある

説明会の前に、違約金の式と募集地域を書面で確かめてください。

ぺんすけ

自分に足りないのが書類づくりなのか、集客なのかを先に決めると、本部を選びやすくなります。

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  • 契約書にサインする前に確かめる5つのこと
  • ケアマネジャーやご家族が見ている、載せるべき16の項目

どれも、契約の前に一言たずねれば分かることです。何を聞けばよいかを知らなかっただけで、払わなくてよかったお金を払い続けている方がいます。

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参考文献

法令(e-Gov法令検索)

国土交通省の通達・基準

公正取引委員会の資料

各本部の公式サイト(2026年10月1日時点)

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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