【2026年】居宅介護支援事業所等連携加算とは|算定要件を解説

障害福祉サービスを使ってきた利用者が、介護保険サービスへ移ることになりました。あるいは、一般企業への就職が決まりました。この引き継ぎに動いた月に算定できるのが、居宅介護支援事業所等連携加算です

引き継ぎ先への情報提供で150単位、月2回以上の面接と会議への参加でそれぞれ300単位です。3つとも行った月は、750単位が積み上がります。

ところが、基本報酬を算定している月は取れないと理解していませんか。この理解は、半分は正しく半分は危険です。

6つある算定区分のうち、情報提供にあたる⑴と⑷だけは基本報酬を算定している月でも算定できます。しかもこの2区分は、令和6年度改定で100単位から150単位に引き上げられました。

今回は、居宅介護支援事業所等連携加算について詳しく解説していきます。

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目次

居宅介護支援事業所等連携加算の算定区分

居宅介護支援事業所等連携加算は、これまで障害福祉サービスを利用してきた方が介護保険サービスを使い始めるとき、または一般企業に新しく雇われるときに算定できる加算です。

引き継ぎには一定の期間がかかります。その間に相談支援専門員が動いた分を報酬で評価する、という組み立てになっています。

名前がよく似ていますが、介護保険の居宅介護支援費には連携加算という単独の加算はありません。ケアマネジャー(介護支援専門員)側の加算とは別制度なので、単位数も要件も共通点はありません。

スクロールできます
区分移行先行う業務単位数令和6年度改定
介護保険指定居宅介護支援事業所等への情報提供と計画作成への協力150単位100単位から引き上げ
介護保険月2回以上の面接300単位テレビ電話装置等の活用が可能に
介護保険指定居宅介護支援事業所等が開く会議への参加300単位変更なし
一般就労障害者就業・生活支援センター等への情報提供と検討への協力150単位100単位から引き上げ
一般就労月2回以上の面接300単位テレビ電話装置等の活用が可能に
一般就労雇用先事業所等が開く会議への参加300単位変更なし
居宅介護支援事業所等連携加算の6区分を、介護保険への移行と一般就労への移行の2場面×情報提供・訪問面接・会議参加の3業務で並べた図。情報提供は150単位、訪問面接と会議参加は300単位

出典:厚生労働省「指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(新旧対照表)」

単位数は150単位と300単位に分かれる

区分は6つありますが、単位数は150単位と300単位の2種類しかありません。

文書を作って渡す情報提供が150単位、月2回以上の面接と会議への参加が300単位です。

動いた時間の重さで単位数が分かれている、と読むと覚えやすくなります。1か月のうちに情報提供と面接と会議参加をすべて行えば、合計750単位が積み上がります。

ぺんすけ

まずは自分の担当ケースがどの区分に当たるかを、表1で上から順に当てはめてみてください。

対象は介護保険への移行と一般就労の2場面

⑴から⑶が介護保険への移行、⑷から⑹が一般就労への移行です。

同じ3つの業務が2つの場面ぶん並んでいるだけなので、覚えるのは業務の3種類だけで足ります。

ひとつ注意したいのが、⑴の引き継ぎ先の範囲です。自法人で一体的に運営している指定特定相談支援事業所へ引き継ぐ場合は、対象から除かれます

同じ法人が居宅介護支援事業所と相談支援事業所の両方を運営していて、そのまま自法人のケアマネジャーへ引き継いだ場合、⑴は算定できません。法人をまたいで情報を渡す手間を評価する加算だからです。

情報提供は100単位から150単位に上がった

令和6年度改定で引き上げられたのは、情報提供にあたる⑴と⑷です。100単位から150単位になりました。

面接と会議参加の300単位に変更はありません。ただし検索で上位に出てくる解説ページには、令和3年度改定のまま100単位と書かれているものがまだ残っています。

単位数を確認するときは、その資料が令和6年度改定に対応しているかを先に見てください。

情報提供・面接・会議参加の3つの算定要件

区分は6つですが、行う業務は以下3つに整理できます。

  • 情報提供
  • 面接
  • 会議参加

介護保険へ移るのか一般就労へ移るのかで区分の番号が変わるだけで、満たすべき要件は同じです。

ここでは3つの業務それぞれについて、どこまでやれば要件を満たすのかを見ていきます。

文書を作って渡し計画作成に協力する

⑴と⑷でいう必要な情報の提供は、この目的のために作成した文書によるものを指します。口頭で伝えただけ、手元のメモを渡しただけでは要件を満たしません。

協力する場合の中身も、留意事項通知に具体例が示されています。

  • 引き継ぎ先の介護支援専門員や障害者就業・生活支援センターの職員が行うアセスメントに同行する
  • 直近のサービス等利用計画やモニタリング結果を渡したうえで、利用者の心身の状況・生活環境・サービスの利用状況を説明する

文書を送って終わりではなく、受け取った側が計画を作れる状態まで手伝うことが求められています。

出典:厚生労働省「指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」

月2回以上面接し1回は居宅を訪問する

⑵と⑸は、月に2回以上、利用者とその家族に面接した場合に算定します。令和6年度改定で、この面接にテレビ電話装置等を使えるようになりました

ただし全部をオンラインで済ませることはできません。月に1回は利用者の居宅等を訪問して面接することが必要です

面接の方法は利用者等の意向を確認し、訪問を希望する場合は訪問するよう努めることとされています。

ここでいう居宅等には、利用者の居宅のほかに障害者支援施設等と病院が含まれます。入院中の面接も対象になる、ということです。

ぺんすけ

オンラインが使えるようになったからこそ、月1回の訪問をどの週に置くかを先に決めておくと取りこぼしを防げます。

なお特別地域にあり事業所から一定の距離がある居宅等を訪問して⑵や⑸を算定する場合は、遠隔地訪問加算300単位を算定回数に乗じて上乗せできます。

引き継ぎ先が開く会議に参加する

⑶と⑹で対象になるのは、引き継ぎ先が開催する会議です。自事業所が開くサービス担当者会議は含まれません。会議への参加はテレビ電話装置等を使って行えます。

回数の数え方には落とし穴があります。複数の引き継ぎ先の会議が同じ日に連続して一体的に開かれた場合、算定回数は1回になります。

ぺんすけ

会議に出た日と面接した日は、その週のうちに記録へ落としておくと、あとから回数を数え直す手間がなくなります。

区分記録する内容保存年数
⑴・⑷情報提供を行った日時、場所、内容、提供手段5年
⑵・⑸面談日時、その内容の要旨5年
⑶・⑹会議の出席者、開催日時、検討した内容の要旨、それを踏まえた対応方針5年

いずれの記録も5年間の保存が必要で、市町村長等から求めがあれば提出しなければなりません。

基本報酬や他の加算と重ねるときの条件

この加算がむずかしいのは、同じ月に何を算定しているかで取れる区分が変わる点です。

基本報酬にあたる指定サービス利用支援費と指定継続サービス利用支援費、そして入院時情報連携加算と退院・退所加算の4つが判断の軸になります。順番に確認していきます。

同じ月に算定しているもの⑴・⑷(情報提供)⑵⑶⑸⑹(面接・会議)
指定サービス利用支援費算定できる算定できない
指定継続サービス利用支援費算定できる算定できない
入院時情報連携加算算定できない算定できない
退院・退所加算算定できない算定できない
居宅介護支援事業所等連携加算を算定できるかの判定フロー。入院時情報連携加算または退院・退所加算の月は6区分すべて算定できず、指定サービス利用支援費または指定継続サービス利用支援費の月は⑴と⑷だけ算定できる

基本報酬を算定する月は面接と会議を外す

指定サービス利用支援費または指定継続サービス利用支援費を算定している月は、⑵⑶⑸⑹を算定できません。告示の⑵と⑸の条文にも、基本報酬を算定する月を除くという限定が書かれています。

サービス等利用計画を作った月やモニタリングを行った月は、面接と会議参加の300単位を算定できません。まずはこの原則を押さえるようにしましょう。

情報提供は基本報酬の月でも算定する

例外が⑴と⑷です。指定サービス利用支援費または指定継続サービス利用支援費を算定している月でも算定できます

つまりモニタリングを行った月に、引き継ぎ先へ文書を作って渡していれば、そのぶんの150単位は請求できます。ここを原則どおり外してしまい、取り漏らしている事業所は少なくありません。

モニタリングで訪問した同じ月に、引き継ぎ先の居宅介護支援事業所へ情報提供書を渡したケースを考えます。
介護支援専門員のアセスメントにも同行していれば、指定継続サービス利用支援費に加えて⑴の150単位を算定できます。

ぺんすけ

引き継ぎが決まった利用者は、モニタリングの月に情報提供までまとめて済ませると単位数を取りこぼしません。

入院時情報連携加算を取る月は全部外す

入院時情報連携加算または退院・退所加算を算定している月は、⑴と⑷を含めて6区分のすべてが算定できません基本報酬のような例外はありません

ここは自治体が作った加算一覧でも書き方が分かれるところです。算定要件が特定の区分の場合だけ、というように原典より狭く書かれた資料が出回っています。

留意事項通知は月単位で定めているので、迷ったら原典の書き方に合わせてください。

居宅介護支援事業所等連携加算を算定できる回数

回数の上限は、加算全体ではなく区分ごとにかかります。さらに、障害福祉サービスを利用している期間と、利用を終えたあとの6か月間とで数え方が変わります。

この2段構えを取り違えると、請求してから返還になりかねません。

利用期間中は区分ごとに2回まで取る

障害福祉サービス等を利用している期間は、⑴から⑹のそれぞれについて2回が上限です。加算全体で2回ではありません

ぺんすけ

上限は加算単位ではなく区分単位です。算定台帳も区分ごとに数えておくと安全です。

同じ月に面接と会議参加の両方を行えば、それぞれ所定の単位数を算定できます。厚生労働省のQ&Aには、次のような算定例が示されています。

  • 1月に⑴、2月に⑴と⑵、3月に⑵、4月に⑴と⑶を行った場合
  • ⑴は2回、⑵は2回、⑶は1回まで算定でき、4月の⑴は上限に達しているため算定できません

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」

利用終了後の6月間は毎月1回ずつ取る

障害福祉サービス等の利用を終了した日から起算して6か月以内は、数え方が変わります。区分ごとに1か月あたり各1回まで算定できます。

引き継ぎは利用終了で終わりません。むしろ介護保険のケアマネジャーへ完全にバトンを渡すまでの数か月こそ、この加算が本来ねらっている場面です。

ぺんすけ

利用が終わったからと台帳を閉じてしまうと、6か月ぶんの算定機会をまるごと逃します。

前6月に算定したら初回加算を外す

見落としやすいのが、初回加算への波及です。初回加算を算定しようとする月から数えて前6か月間にこの加算を算定していると、初回加算を算定できません

一度引き継いだ利用者が、再び計画相談支援に戻ってきた場合に効いてきます。連携加算を取ったことが、あとから初回加算を失う理由になります。この副作用まで見たうえで、どちらを取るかを判断してください。

引き継ぎ先である居宅介護支援事業所側の加算体系は、居宅介護支援事業所の加算一覧【令和8年6月改定対応】で確認できます。

引き継ぎの実績や医療・介護との連携体制は、事業所の外からは見えません。どんな引き継ぎをしている事業所なのかをホームページに書いておくだけで、行政にも家族にも求職者にも伝わります。

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まとめ|居宅介護支援事業所等連携加算は記録が要る

居宅介護支援事業所等連携加算は6つの区分に分かれ、情報提供が150単位、面接と会議参加が300単位です。判断がむずかしいのは単位数ではなく、同じ月に何を算定しているかという組み合わせのほうです。

3つの業務に共通しているのは、いずれも5年間の記録保存が課されている点です。動いた事実が残っていなければ、要件を満たしていても算定できません。引き継ぎに動いた日は、その場で記録まで残してください。

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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