「重要事項説明書」とは介護サービスの内容・料金・契約条件を説明するための書類です。
その重要事項説明書が2024年介護報酬改定で、ネット公開を義務化されることが決定しました。
つまり、インターネット上に「重要事項説明書」が確認できない場合、行政指導を受ける可能性が出てきます。
そこで今回は、重要事項説明書はホームページ掲載の義務ありなのかについて解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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重要事項説明書はネット公表が義務
結論から言うと、介護重要事項説明書はネット公表が義務となっており、ホームページに掲載する義務はありません。

わかりやすく解説すると、ネット公表の方法は2つあります。

つまり、どちらかに公表すればOKということです。
自社ホームページを持っていないのであれば、厚生労働省が運営している「介護サービス情報公表システム」に重要事項説明書を登録すれば問題ありません。
情報公表システムと自社ホームページの違い
ホームページを持っていない事業所は、まず介護サービス情報公表システムへの掲載で義務を満たせます。
ただし公表システムは行政向けの体裁で、利用者や求職者が見に来る場所ではありません。集客や採用まで見据えるなら、自社ホームページを持つ選択肢が有効です。
| 掲載先 | 義務への対応 | 集客・採用効果 |
|---|---|---|
| 介護情報公表システム | 対応できる | ほぼ期待できない |
| 自社ホームページ | 対応できる | 期待できる |
利用者や求職者から「しっかりしている施設だな」と感じてもらうには、自社ホームページに載せておくことをおすすめします。
重要事項説明書のネット公表の対象とは?
デイサービス、特養・老健など様々な施設形態のある介護事業所ですが、重要事項説明書のネット公表の対象となっている事業所は下記のとおりです。
- 訪問介護
- 訪問看護
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- グループホーム
- 小規模多機能型居宅介護
基本的に介護保険サービスを提供する事業所はすべて対象となっています。
重要事項説明書のネット公表を対応しないとどうなる?
2026年現在、介護重要事項説明書のネット公表をしている事業所はまだまだ多くありません。
ですが、徐々に規制も厳しくなってきて、ネット公表をしていない事業所は不利益を被るケースも増えてくると考えられます。
それぞれ具体的に説明します。
行政指導の対象になる
2025年4月より介護重要事項説明書のネット公表は義務化されたので、まだ対応していない事業所は行政指導の対象になってきます。
最初は口頭指導がほとんどですが、改善をまったくしなければ下記のように重い処置になっていきます。
- 口頭指導
- 文書指導
- 改善報告書の再提出
- 是正命令
- 行政処分
もし行政指導を受けてしまうと、利用者苦情や事故報告を受けた時に、「指導歴あり」のレッテルを貼られた前提で対応されてしまいます。
また重くなればなるほど、改善報告書の提出などの負担が大きくなり、本来であればなかったはずの業務が増えてしまいます。
百害あって一利なしなので、なるべく早くネット公表を行うようにしましょう。
お客様からの信頼低下に繋がる
今後、介護重要事項説明書のネット公表が当たり前になってこれば、「ネット公表されてない事業所=いい加減な事業所」というような印象に変わってきます。
介護施設を決めることは、人生のターニングポイントでもあり、極めて重要です。
そのような重要な意思決定の場面で、重要事項説明書がネット上になければ、お客様からの信頼も一気に下がります。そもそも選択肢から外される可能性も高くなってきます。
まだネット公表が一般的にされてないことを考えると、早めにネット公表するだけでも競合他社との差別化にも繋がってきます。
介護士の採用にも悪影響が出てくる
お客様からの印象が悪くなるだけでなく、もちろん求職者(介護スタッフ)からの印象も悪くなります。
スマホが当たり前になった現代では、介護職の応募をする前にも必ずといっていいほど「ホームページ」を閲覧しています。

私は以前「レバウェル介護」のキャリアアドバイザーとして活動していましたが、求職者のほとんどがホームページの内容を参考にして、どの介護施設で働きたいかを決めていました!
ホームページを閲覧した時に、重要事項説明書がないと「給与・手当が不透明」や「事業運営も雑にやってそう」などのマイナス評価に繋がってしまいます。
ホームページを既に持っている事業所は、PDF形式で問題ないので重要事項説明書をアップするようにしましょう。
重要事項説明書をホームページに掲載する方法
重要事項説明書を自社ホームページに載せる方法は、大きく2つあります。
どちらでも公表義務は満たせますが、読みやすさと検索での見つけやすさに差が出ます。
PDFをアップロードして掲載する
すでにホームページを持っている事業所には、重要事項説明書をPDFにして載せる方法がいちばん手軽です。
紙で使っている様式をそのまま公開できるので、文章を作り直す必要がありません。作業は次の3ステップで完了します。
| 手順 | 作業内容 |
|---|---|
| ① | WordやExcelの重要事項説明書をPDF形式で保存する |
| ② | ホームページ管理画面のメディアにPDFをアップロードする |
| ③ | 重要事項説明書のページを作り、PDFへのリンクを設置する |
注意したいのは、スマートフォンで開くと文字が小さく、指で拡大しないと読めないことがある点です。
ファイル名を「重要事項説明書_2025年4月版」のように日付入りにしておくと、閲覧者も職員も最新版を見分けやすくなります。
本文をHTMLページとして載せる
PDFではなく、重要事項の内容をホームページの本文としてそのまま文字で載せる方法もあります。ページの中に見出しと文章を打ち込むイメージです。
いちばんの利点は、スマートフォンでも文字が読みやすいことです。画面の幅に合わせて自動で折り返されるため、拡大しなくてもそのまま読めます。
さらに検索エンジンが中身を文字として読み取れます。「事業所名 重要事項」などで調べた利用者や家族が、直接ページにたどり着きやすくなります。
| 比較軸 | PDF掲載 | HTML掲載 |
|---|---|---|
| 作成の手軽さ | 手軽 | やや手間がかかる |
| スマホの読みやすさ | 読みにくい | 読みやすい |
| 検索からの流入 | 期待しにくい | 期待できる |
手間はかかりますが、義務対応と集客を一度に済ませたい事業所にはHTML掲載が向いています。
PDFはダウンロード用、HTMLは閲覧用と、両方を用意して使い分けるのも有効な方法です。
ホームページに重要事項説明書を掲載する際の注意点
義務そのものは、介護サービス情報公表システムか自社ホームページのどちらかに載せれば果たせます。ただし実際に自社ホームページへ載せる段になると、手が止まりやすい場面が出てきます。
何をどこまで載せるのか、どのページに置くのか、改定のたびにどう差し替えるのかの3点です。



PDFを1本アップして終わり、と考えている事業所がいちばん多いところです。中身の範囲だけは先に確認しておくと、あとから作り直さずに済みます。
載せるのは説明書だけではない
ウェブサイトに掲載する対象は、重要事項説明書という1つの書類だけではありません。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第32条第3項は、掲載すべき事項を挙げています。
| 掲載する事項 | ホームページでの用意のしかた |
|---|---|
| 運営規程の概要 | 事業の目的と方針、営業日時、サービス内容を抜粋して載せる |
| 担当職員の勤務の体制 | 職種ごとの人数と勤務形態を一覧にする |
| 秘密の保持 | 個人情報の取り扱い方針を記載する |
| 事故発生時の対応 | 連絡体制と報告先を明記する |
| 苦情処理の体制 | 窓口の担当者名と電話番号、受付時間を載せる |
多くの事業所ではこの5つが重要事項説明書の中にまとまっています。そのため説明書のPDFを1本載せれば、掲載範囲はおおむね満たせます。
注意したいのは、様式が古いまま使われているケースです。事故発生時の対応や苦情処理の窓口が抜けている説明書は、そのまま載せても範囲を満たしません。
アップロードする前に、上の5項目がそろっているかを確認してください。
なお、介護サービス情報公表システムでこれらを公表していれば、ウェブサイトへの掲載を行ったものとみなして差し支えないとされています。自社ホームページと公表システムの両方に載せる必要はありません。
出典:介護保険最新情報Vol.1322(令和6年10月18日・厚生労働省)
置き場所はフッターか事業所案内
基準は掲載すべき事項を定めていますが、サイトのどのページに置くかまでは指定していません。置き場所そのもので行政指導を受けることは考えにくく、判断は事業所に委ねられています。
実務で問題になるのは、指導ではなく閲覧する側です。せっかく載せても、利用者や家族がたどり着けない場所にあると、載せていないのと変わりません。
現実的な置き場所は次の2つです。
- フッターに重要事項説明書のリンクを常設し、どのページからでも開けるようにする
- 事業所案内ページの下部に、料金表やアクセス情報と並べて置く
トップページから2クリック以内で開けるかを基準にすると迷いません。ページの名前も重要事項説明書とそのまま付けるほうが、事業所名で調べた家族に見つけてもらえます。
訪問介護事業所で、お知らせ一覧の1記事として重要事項説明書を投稿したとします。
公開した直後は目に付きますが、お知らせが増えるほど下へ流れていきます。
半年後には、トップページから探しても見つからない状態になります。
同じ内容でも、フッターの固定リンクから開ける形にしておけば、この流れは起きません。
重要事項説明書に関するよくある質問
まとめ
今回は、介護事業所における重要事項説明書のネット公表の義務化について話してきました。
ネット公表に対応していないと、行政指導の対象になるだけでなく、利用者や家族からの信頼低下、介護スタッフ採用への悪影響にも繋がってきます。今後は「ネット公表されているかどうか」が、事業所を選ぶ際の当たり前の判断材料になっていくことも考えられます。
自社ホームページを持っている方はホームページに重要事項説明書をアップロード、持っていない方は介護サービス情報公表システムにアップロードするようにしましょう。
紙で持っている場合、Word形式で持っている場合は、PDF化して即急に対応するのがおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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