【2026年版】訪問介護の加算一覧|要件なども詳しく解説!

訪問介護の加算一覧を検索するたびに年号を付け替えていませんか。2024年版、2025年版、2026年版など。

古いネット情報の単位数で請求していないか、取れるはずの加算を取り逃していないか。この2つは、訪問介護事業所の管理者・サービス提供責任者が共通して抱える不安です。

キャリアアドバイザー時代に施設を訪問する機会が多くありましたが、改定前の区分名のまま加算要件を説明している担当者の方に出会うことが少なくありませんでした。

この手の取り漏れや誤請求は、忙しい現場では珍しいことではありません。

この記事では、訪問介護の加算・減算を令和6年度改定対応の最新版で一覧化します。 加算と減算を分けて早見表にまとめ、令和6年で新設・廃止された加算に印を付けました。 単位数・加算率はすべて厚生労働省の一次情報で確認しています。

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目次

訪問介護の加算・減算の一覧【令和6年改定対応】

訪問介護の報酬は、基本報酬に加算をプラスし、条件に当てはまる場合は減算でマイナス調整して決まります。

まず押さえるべきは、加算と減算をはっきり分けて考えることです。 両者を同じ表に混ぜると、プラス項目とマイナス項目が入り混じり、算定判断を誤りやすくなります。

下の早見表は、訪問介護で算定できる主な加算と、 うっかり食らいやすい減算を令和6年度改定の扱いとあわせて一枚にまとめたものです。

区分名称単位数・率令和6年の扱い
加算初回加算200単位/月継続
加算緊急時訪問介護加算100単位/回継続
加算口腔連携強化加算50単位/回(月1回限度)新設
加算特定事業所加算(Ⅰ)20%継続
加算特定事業所加算(Ⅴ)3%新設
加算特別地域訪問介護加算15%対象地域見直し
加算介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)24.5%令和6年6月に一本化
減算同一建物減算(20人以上)−10%継続
減算同一建物減算(50人以上)−15%継続
減算同一建物減算(90%以上)−12%新設区分
減算高齢者虐待防止措置未実施減算−1%令和6年
減算業務継続計画未策定減算−1%令和7年4月1日適用

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」厚生労働省「介護職員等処遇改善加算リーフレット」

加算はプラス、減算はマイナス

訪問介護の加算と減算の役割対比:加算は所定単位数にプラス上乗せする報酬、減算は未実施や同一建物集中で所定単位数からマイナスされる調整

加算とは、所定単位数にプラスして算定できる報酬です。初回加算や特定事業所加算のように、要件を満たした事業所が上乗せで受け取れます。

一方の減算は、所定単位数からマイナスされる調整です。同一建物への集中や、義務づけられた措置の未実施が対象になります。

ぺんすけ

加算と減算は役割が真逆です。取り漏れと誤請求の両方を防ぐには、最初に二分して整理することが大切です。

令和6年改定で新設・廃止が起きた

令和6年度改定では、訪問介護の加算にいくつかの新設と再編がありました。

口腔連携強化加算が新しく設けられ、特定事業所加算は旧Ⅳが廃止されてⅤが新設されました。処遇改善に関する3つの加算は、令和6年6月に1本へ統合されています。

ぺんすけ

年号で検索が割れるのは、この改定で加算の構成が変わったからです。古い情報で請求すると誤請求につながります。

訪問介護の基本・ケア連携の加算

訪問介護には、単発から月次で取りやすい基礎の加算があります。 どの事業所でも算定を検討できる加算群です。

なかでも口腔連携強化加算は令和6年に新設されたばかりで、 存在自体を見落としている事業所が目立ちます。

ぺんすけ

新しい加算ほど、まず知ることが取り漏れ防止につながります。従来の枠を超えた新設加算は、必ず確認項目に入れてください。

下の表に、基本・ケア連携の加算をまとめます。

加算名単位数要件の要旨令和6年の扱い
初回加算200単位/月新規利用者の初回月にサービス提供責任者が同行等継続
緊急時訪問介護加算100単位/回計画外の緊急訪問(身体介護)継続
生活機能向上連携加算(Ⅰ)100単位/月外部リハビリテーション職と連携し計画作成継続
生活機能向上連携加算(Ⅱ)200単位/月リハビリテーション職が訪問し共同でアセスメント継続
口腔連携強化加算50単位/回(月1回限度)口腔状態を確認し歯科医療機関・ケアマネジャーへ情報提供新設
認知症専門ケア加算(Ⅰ)3単位/日認知症介護指導者研修修了者の配置等要件見直し
認知症専門ケア加算(Ⅱ)4単位/日(Ⅰ)要件に加え事業所全体の研修実施等要件見直し

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

初回加算は新規月に200単位つく

初回加算は、新規に訪問介護計画を作成した利用者へ、 初回月に算定できる加算です。初回加算は月単位の加算で、取得しやすい基本加算です。

単位数は200単位で、サービス提供責任者が自ら初回訪問を実施するか、 ヘルパーの初回訪問に同行することが要件になります。

新規受け入れが多い事業所ほど積み重なりが大きくなる加算です。

ぺんすけ

訪問介護の初回加算については専門記事で詳しく解説しているので、要件をしっかり確認して取り漏らしを防いでください。

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

口腔連携強化加算は令和6年に新設

口腔連携強化加算は、令和6年度改定で新しく設けられた加算です。

訪問介護の従業者が利用者の口腔状態を確認し、 歯科医療機関やケアマネジャー(介護支援専門員)へ情報提供した場合に、 50単位を月1回まで算定できます。

新設加算は知らずに取り漏としている事業所が目立つため、優先度の高い確認項目です。

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

緊急時訪問介護加算は1回100単位つく

緊急時訪問介護加算は、ケアプランにない緊急の訪問を身体介護で行った場合に算定できる加算です。

1回の緊急訪問につき100単位が上乗せされます。利用者や家族から急な要請があり、計画外で対応したケースが対象です。

計画外の訪問を記録に残しておくことが、算定の前提です。

生活機能向上連携加算は最大200単位つく

生活機能向上連携加算は、リハビリテーション専門職と連携して訪問介護計画を作成した場合などに算定できる加算です。

連携の形でⅠとⅡに分かれ、Ⅰは100単位、Ⅱは200単位が毎月上乗せされます。 Ⅱはリハビリテーション専門職が利用者宅を訪問し、共同でアセスメントを行う手厚い連携が要件です。

外部の専門職と組める体制は、採用や集客でそのまま発信できる強みです。

訪問介護の特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅴ)

訪問介護の特定事業所加算 区分別加算率一覧:Ⅰ20%・Ⅱ10%・Ⅲ10%・Ⅳ3%(再編)・Ⅴ3%(令和6年新設)

特定事業所加算は、体制・人材・重度者対応を総合的に評価する加算です。 訪問介護の加算のなかで、収益インパクトが最も大きい部類に入ります。

ぺんすけ

加算要件を満たした体制は、採用と集客の両面で効く投資です。経営改善に直結するため、取得に優先度を置いてください。

Ⅰ〜Ⅴの区分があり、要件を満たすほど加算率が高くなります。 令和6年度改定では旧Ⅳが廃止されてⅤが新設されました。

下の表に、区分ごとの加算率と要件の性格を整理します。

区分加算率要件の性格令和6年の扱い
特定事業所加算(Ⅰ)20%体制・人材・重度者対応の総合評価継続
特定事業所加算(Ⅱ)10%体制・人材要件継続
特定事業所加算(Ⅲ)10%重度者対応中心の要件継続
特定事業所加算(Ⅳ)3%中山間地域等での継続提供等(旧Ⅴから繰り上げ)再編
特定事業所加算(Ⅴ)3%看取り期の重度者対応等を評価新設

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

特定事業所加算Ⅰは20%上乗せになる

特定事業所加算Ⅰの収益インパクト試算:身体介護30分〜1時間の基本387単位に20%が乗ると1回464単位、月100回なら上乗せ分だけで月7,700単位の差

最上位の特定事業所加算(Ⅰ)は、所定単位数に20%を上乗せできる加算です。

体制要件・人材要件・重度者対応を総合的に満たす必要があり、 収益への効果は桁違いです。

身体介護30分以上1時間未満の基本単位数は387単位です。 特定事業所加算(Ⅰ)の20%が乗ると77単位が上乗せされ、1回あたり464単位になります。 月100回の訪問があれば、上乗せ分だけで月7,700単位の差が生まれます。

体制を整えることは、収益と採用の両方に効く投資です。

ぺんすけ

収益が増える→その収益を給料や教育に回せる → 人が集まって辞めにくくなるのように好循環になるからです!

令和6年に旧Ⅳが廃止されⅤが新設

令和6年度改定で、特定事業所加算の区分が再編されました。

従来のⅣが廃止され、中山間地域等での継続提供を評価する要件は繰り上がって整理されました。あわせて、看取り期の重度者対応を評価するⅤが新設されています。

古い区分のまま算定要件を確認すると、実態とずれるおそれがあります。

Ⅴは看取り対応で他区分と併算定できる

新設された特定事業所加算(Ⅴ)は加算率3%で、看取り期の重度者対応などを評価します。

Ⅴの特徴は、他の区分と併算定できる点です。訪問介護に「看取り期対応加算」という独立した加算はありません。看取り期の対応は特定事業所加算(Ⅴ)などで評価される仕組みになっています。

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

訪問介護の地域・時間帯による割増加算

訪問介護には、事業所の立地や訪問の運用条件によって取れる割増系の加算があります。

地域要件は事業所の所在地で決まり、時間帯の割増は訪問した時刻で決まります。 どちらも「立地や運用で自然に取れる」加算なので、取り漏れを防ぎたい項目です。

下の表に、地域・時間帯による割増をまとめます。

加算名加算率対象令和6年の扱い
特別地域訪問介護加算15%離島・へき地等の特別地域に所在対象地域見直し
中山間地域等における小規模事業所加算10%中山間地域等の小規模事業所対象地域明確化
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算5%事業実施地域を越えて中山間地域居住者へ提供対象地域明確化
2人の訪問介護員等による場合2倍利用者の状態でヘルパー2人が必要な場合継続
夜間・早朝の訪問25%夜間・早朝の時間帯継続
深夜の訪問50%深夜の時間帯継続

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

離島・へき地は特別地域加算で15%増

特別地域訪問介護加算は、離島やへき地などの特別地域に所在する事業所が算定できる加算です。

特別地域は下記のような場所になります。

特別地域根拠法
離島振興対策実施地域離島振興法 第二条第一項
奄美群島奄美群島振興開発特別措置法 第一条
振興山村山村振興法 第七条第一項
小笠原諸島小笠原諸島振興開発特別措置法 第四条第一項
沖縄の離島沖縄振興特別措置法 第三条第三号
豪雪地帯・特別豪雪地帯・辺地・過疎地域等であって、人口密度が希薄、交通が不便等の理由によりサービスの確保が著しく困難な地域・豪雪地帯対策特別措置法 第二条第一項・第二項
・辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律 第二条第一項
・過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法 第二条第ニ項

所定単位数に15%が上乗せされます。 令和6年度改定では対象地域の見直しがあったため、 自事業所が対象に該当するか最新の基準で確認してください。

夜間・深夜の訪問は最大50%上乗せ

訪問介護の時間帯による割増率:夜間・早朝の訪問はプラス25%、深夜の訪問はプラス50%が所定単位数に上乗せされる

訪問した時間帯によって、報酬に割増がつきます 。

夜間・早朝の訪問は25%、深夜の訪問は50%が上乗せされます。 時間帯の区分は法令で定められているため、 記録上の訪問時刻と照らして正しく算定してください。

早朝は6〜8時、夜間は18〜22時、深夜は22時〜翌6時を指します。

ぺんすけ

夜間・早朝/深夜の割増の算定については専門記事で詳しく解説しているので、記録と整合させてください。時間帯の区分を誤ると減点対象になります。

ヘルパー2人対応は報酬が2倍になる

利用者の状態などにより、1回の訪問にヘルパーが2人必要な場合があります 。

このとき、所定単位数が2倍で算定されます。 体重の重い利用者の移乗介助など、安全上2人での対応が必要なケースが対象です。

2人対応が必要な状況を計画に位置づけておくことが、算定の前提になります。

訪問介護の処遇改善加算の一本化

処遇改善に関する加算は、令和6年度改定で大きく再編されました。 かつて3つに分かれていた加算が、1本に統合されています。

年号で検索が割れる原因のひとつが、この一本化です。

下の表に、一本化後の介護職員等処遇改善加算の訪問介護の加算率をまとめます。

区分訪問介護の加算率改定年
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)24.5%令和6年6月一本化
介護職員等処遇改善加算(Ⅱ)22.4%令和6年6月一本化
介護職員等処遇改善加算(Ⅲ)18.2%令和6年6月一本化
介護職員等処遇改善加算(Ⅳ)14.5%令和6年6月一本化

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算リーフレット」

上記の加算率は訪問介護の場合の率です。加算率はサービス種類ごとに異なるため、他サービスの率と混同しないよう注意してください。

訪問介護の処遇改善加算については、以下の記事を参考にしてください。

3つの加算が令和6年6月に一本化

処遇改善加算の一本化:介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の3つが令和6年6月に介護職員等処遇改善加算(訪問介護は最大24.5%)へ統合

一本化前は、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・ 介護職員等ベースアップ等支援加算の3つに分かれていました 。

これらが令和6年6月に、介護職員等処遇改善加算(Ⅰ〜Ⅳ)へ統合されました。旧3加算は令和6年5月末までで、6月以降は新しい加算に移行しています。

最上位Ⅰは訪問介護で24.5%上乗せ

一本化後の最上位である介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)は、訪問介護の場合で24.5%の加算率です。

これは所定単位数、つまり基本報酬と各種加算を合計した単位数に乗じて算定します。 特定事業所加算と並ぶ、収益インパクトの大きい加算です。

特定事業所加算(Ⅰ)も取得した場合、所定単位数には基本報酬に20%が上乗せされます。そこにさらに介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)の24.5%が乗るため、加算の相乗効果は相当大きくなります。

加算要件を満たした「良い体制」を、求職者に伝わる形で発信することが採用成功につながります。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算リーフレット」

知らないと損する訪問介護の減算

ここまでは取りに行く加算でしたが、食らわないよう守るべき減算を整理します。

減算は、要件を満たさなかったり、同一建物への提供が集中したりした場合に、 所定単位数からマイナスされる調整です。適用時期が加算と異なるものもあるため、開始時期にも注意が必要です。

下の表に、訪問介護の主な減算をまとめます。

減算名減算率内容適用時期
同一建物減算(20人以上)−10%同一建物等の利用者20人以上に提供継続
同一建物減算(50人以上)−15%同一建物の利用者50人以上に提供継続
同一建物減算(90%以上)−12%正当な理由なく同一建物利用者が90%以上(50人以上を除く)令和6年新設区分
高齢者虐待防止措置未実施減算−1%委員会・指針・研修・担当者が未実施令和6年
業務継続計画未策定減算−1%業務継続計画(BCP)が未策定・未実施令和7年4月1日適用

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(訪問介護費)」

同一建物への集中は最大15%引かれる

同一建物減算は、事業所と同一の建物などに住む利用者へサービスが集中した場合の減算です 。

利用者が20人以上で−10%、50人以上で−15%が引かれます。さらに令和6年度改定では、正当な理由なく同一建物の利用者が90%以上を占める場合に −12%とする区分が新設されました。

ぺんすけ

サービス付き高齢者向け住宅などに併設した事業所では、知らないうちに減算対象になっているケースがあります。減算は一人当たり売上に直結するため、経営に直接影響します。

虐待防止・BCP未実施は1%減る

高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算は、 いずれも所定単位数から1%が引かれます

高齢者虐待防止措置未実施減算は、委員会の開催・指針の整備・ 研修の実施・担当者の設置が未実施の場合に適用されます。

一方の業務継続計画未策定減算(BCP減算)は、訪問介護では令和7年4月1日から適用されます。適用時期を誤解している事業所が多いため、期日までに計画を整えてください。

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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