ケアマネの入院時情報連携加算とは?月またぎの算定方法も解説

「入院後3日以内に届ければ算定できる」という理解のまま、入院時情報連携加算の請求を続けていませんか。この基準は令和6年度の介護報酬改定で、すでに姿を消しています。

現在は入院した当日の届け出で250単位、翌日または翌々日の届け出で200単位という、タイミングを基準にした区分に置き換わりました。

正しいタイミングで情報を届け、記録まで残せれば、入院時情報連携加算は迷わず算定でき、運営指導でも慌てずに済みます。

この記事では、入院時情報連携加算の単位数、どのように算定するのかについて具体的に解説していきます。

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目次

入院時情報連携加算の現行基準

入院時情報連携加算とは、入院した利用者の情報を医療機関へ提供した場合に算定できる加算です。

令和6年度の介護報酬改定で、算定基準は日数を数える方式からタイミングを判定する方式に変わりました。この変更を正確に押さえることが、正しい単位数で算定するための出発点になります。

区分情報を届けたタイミング単位数営業時間外・休業日の読み替え
(Ⅰ)入院した日のうち(入院日以前の提供を含む)250単位営業時間終了後・営業日以外の入院は翌日を含む
(Ⅱ)入院した日の翌日または翌々日200単位3日目が営業日以外の日なら翌日を含む

それぞれ具体的に説明します。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 ホ

入院当日の届け出で250単位になる

入院時情報連携加算(Ⅰ)は、利用者が入院した日のうちに医療機関へ情報を提供した場合に算定できる区分で、単位数は250単位です。

判定の起点は情報を提供した日であり、入院した日そのものより前に情報を提供していた場合も、当日扱いに含まれます。事業所の運営規程で定めた営業時間の終了後や、営業日以外の日に利用者が入院した場合は、入院した日の翌日までを当日として扱います。

夜間や休日に入院の連絡が入っても、この読み替えがあるため(Ⅰ)を狙える場面は思ったより広いです。

出典:大臣基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号)八十五 イ

翌日・翌々日の届け出は200単位になる

入院時情報連携加算(Ⅱ)は、入院した日の翌日または翌々日に情報を提供した場合に算定できる区分で、単位数は200単位です。

起算点は入院した日そのもので、その2日後までに情報が届けば算定できます。入院した日の営業時間終了後にあたり、かつ入院から数えて3日目が営業日以外の日にあたるときは、その翌日までを提供期限として扱います。

土日や祝日をまたぐ入院ほど、この読み替えの恩恵を受けやすい仕組みです。

出典:大臣基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号)八十五 ロ

旧基準「3日以内」はもう通用しない

この基準に切り替わる前は、(Ⅰ)が入院から3日以内で200単位、(Ⅱ)が4日以上7日以内で100単位という、日数を数える基準でした。

この旧基準は現行の告示から完全に姿を消しており、単位数・判定方法のどちらも今の基準とは一致しません。

この旧基準を現行の基準として回答した実例が確認されています。「3日以内」という表現を見かけたら、令和6年度改定前の情報である可能性を疑ってください。

ぺんすけ

加算に関する情報を調べる場合は、発信元の更新日を必ず確認してください。

利用者の入院を知ったときにケアマネジャーがすること

利用者の入院を知らせる連絡は、本人や家族、時には病院からの電話で突然入ります。深夜や休日に届くことも珍しくありません。

ここでいう(Ⅰ)は入院した日のうちに情報を届ける250単位の区分、(Ⅱ)は翌日または翌々日に届ける200単位の区分を指します。

気づいた瞬間にすぐ動けるかどうかで、(Ⅰ)を狙えるか(Ⅱ)止まりになるかが決まります。伝えるべき情報の中身や記録の残し方も、初動と同じくらい結果を左右します。

ぺんすけ

電話を切った直後の数分で、その先の届出期限が決まってしまいます。

入院時情報連携加算のタイムライン。入院した日のうちに情報提供すると(Ⅰ)250単位、翌日または翌々日なら(Ⅱ)200単位で、どちらか一方だけを算定する。営業時間終了後・営業日以外の入院と、3日目が営業日以外にあたる場合の読み替えも示す
タイミングすること根拠
その日のうち連絡してきた相手を確認し情報提供の準備に入る大臣基準告示 八十五 イ
遅れて把握したとき(Ⅱ)への切り替えを判断する大臣基準告示 八十五 ロ
情報提供時心身の状況と生活環境を伝える老企第36号 第三の16(1)
FAX・メール送付時先方の受領確認を取る平成30年度Q&A 問139
提供後日時・場所・内容・手段を記録する老企第36号 第三の16(1)
記録が済んだあと医療機関側の受け皿を意識して伝わったか確認する練馬区資料(概念参考)

気づいたその日のうちに動く

入院の連絡を受けたら、まず連絡してきた相手が誰かを確認します。家族からの一報なのか、医療ソーシャルワーカー(病院で入退院の相談を担う職員)からの連絡なのかで、その後にやり取りする窓口が変わります。

窓口が分かり次第、その日のうちに情報提供の準備に入れば、(Ⅰ)の250単位を狙えます。

入院前にすでに情報交換をしていた場合も、その提供日が入院当日扱いに含まれるため、把握が入院より前でも慌てる必要はありません。

ぺんすけ

誰から連絡が来たかを最初に確認するだけで、その後の動きがぐっとスムーズになります。

出典:大臣基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号)八十五 イ

遅れたら(Ⅱ)に切り替える

家族からの連絡が入院の翌日になることも珍しくありません。その場合でも、翌々日までに情報提供できれば(Ⅱ)の200単位を狙えます。

(Ⅰ)は入院した日限りの区分のため、翌日以降に情報提供する場合は選べません。間に合わなかったと諦める前に、(Ⅱ)の期限が翌々日まであることを思い出してください。

土曜日の夜に利用者が救急搬送され、家族からの連絡が日曜の朝だったケースでは、入院した日は土曜日でも連絡を受けたのが日曜日のため、(Ⅰ)の届け出は難しくなります。
入院した日から数えて3日目にあたる月曜日が通常どおりの営業日であれば、月曜日までに情報提供すれば(Ⅱ)の200単位を算定できます。
月曜日が祝日など営業日以外の日にあたる場合に限り、火曜日まで期限が延びます。

1人でケアマネジャー業務を担う事業所ほど、担当件数が多く入院の連絡を見落としがちです。居宅介護支援事業所|1人ケアマネで運営できる件数と収入では、こうした場面での運営の工夫を扱っています。

出典:大臣基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号)八十五 ロ

心身の状況と生活環境を伝える

医療機関に伝えるべき情報は、老企第36号が3つのまとまりで例示しています。

  • 心身の状況(疾患・病歴、認知症の有無や行動の有無など)
  • 生活環境(家族構成、生活歴、介護者の状況など)
  • サービスの利用状況(利用中のサービス種別や頻度)

この3つをまとめて伝えることで、医療機関側も退院後の支援方針を立てやすくなります。伝え漏れを防ぐため、担当利用者ごとに様式を用意しておく事業所も少なくありません。

とくに生活環境は、担当ケアマネジャーでなければ把握しにくい情報です。家族構成や介護者の負担感はカルテだけでは見えてこないからこそ、医療機関側からも重宝されます。

出典:老企第36号 第三の16(1)

FAXやメールでも受領確認を取る

「情報を送ってさえおけば大丈夫」と思っている人ほど、要注意です。面談以外の方法、たとえばFAXやメールで情報を提供しても、入院時情報連携加算は算定できます。

ただし送っただけでは要件を満たしたことにならず、相手方の手元に確かに届いたかどうかまで確かめておかなければなりません。

確認した事実そのものも、居宅サービス計画等に記録しておかなければなりません。電話で受領を確認し、その通話日時までメモに残す運用は、この要件に沿った実務例といえます。

ぺんすけ

送りっぱなしにせず、受け取ったかどうかまで確認する一手間が要件を満たす分かれ目です。

出典:平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問139

提供した日時と手段を記録する

日時・場所・内容・手段の4点は、情報提供のたびに居宅サービス計画等へ書き留めておく必要があります。これは老企第36号が明示する記録要件で、支援経過記録への一言だけでは足りません。

記録が不十分なまま運営を続けると、情報提供自体はしていても指摘の対象になり得ます。

出典:老企第36号 第三の16(1)

医療機関側の受け皿を意識する

情報を届けて終わりにせず、その情報が医療機関側でどう扱われているかにも目を向けてみましょう。病院にも、入院前後の情報収集や退院支援を専門に担う部門が置かれていることが一般的です。

ケアマネジャーが提供した情報は、この部門を通じて医療スタッフ全体に共有される流れになっています。送りっぱなしにせず、記録した内容がきちんと伝わったかどうかを意識する姿勢が、次の連携にもつながります。

ぺんすけ

送った情報がどう使われているかを知っておくと、次の連携もスムーズになります。

いい事業所なのに、実績の伝え方が下手で埋もれていくのはもったいないです。医療機関との連携実績は、居宅介護支援事業所の強みとして対外的に伝えることで、紹介にも採用にもつながります。

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入院時情報連携加算の月またぎと再入院の請求ルール

入院した月に、ケアプランに基づく介護サービスの利用が1件もないことがあります。この場合でも、条件を満たせば入院時情報連携加算だけを請求できます。

入院が長引き、退院の見込みが立たないまま数か月が過ぎることも珍しくありません。そうした月をまたぐ請求の扱いを知らないまま、加算そのものを諦めてしまう事業所もあります。

ぺんすけ

サービス利用がない月は「請求できない」と思い込みがちですが、条件次第で加算だけは請求できます。

同じ月に利用者が転院や再入院を繰り返すケースでは、算定できる回数に上限がある点も押さえておく必要があります。

月をまたぐ場合の請求ルール。2月にサービス利用があり3月5日に入院、3月8日に情報提供すれば、2月分の請求期限である3月10日に間に合い加算だけを算定できる。同じ月に再入院・転院しても利用者1人につき1月に1回が上限

当月利用なしでも前月分で請求できる

入院した月にサービス利用が一度もなくても、入院時情報連携加算そのものは請求できます。条件は、サービスを利用した月の翌月10日、つまり前月分の給付費請求期限までに情報提供を終えていることです。

この期限を過ぎてから情報提供した場合は、算定そのものができなくなります。

ぺんすけ

月をまたぐ請求は見落としやすいポイントです。
毎月の締め作業でまとめて確認する習慣をつけておきましょう。

直近の2月にサービス利用があった利用者が3月5日に入院し、3月中は一度もサービスを利用しなかったケースを考えます。
2月分の請求期限は3月10日のため、3月8日までに情報提供していれば、2月分の請求に合わせて加算だけを算定できます。
3月10日を過ぎてから情報提供した場合は、この加算自体が請求できなくなります。

出典:平成21年度介護報酬改定関係Q&A(Vol.1)問64

同月の再入院・転院でも1回が上限になる

入院時情報連携加算は、利用者1人につき1月に1回が限度です。

同じ月に一度退院してから再び入院した場合や、転院して2つの医療機関に情報を提供した場合でも、算定できる回数は増えません。

2回情報提供したとしても、請求できるのはどちらか一方の1回分だけです。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 ホ 注

入院時情報連携加算の記録不備で指導されるケース

情報提供そのものは行っていても、記録が伴っていなければ算定要件を満たしたとは認められません。実際に、記録不備を理由に指摘を受けた運営指導の事例があります。

支援経過記録に短く触れるだけでは、記録として不十分と判断される場合があります。

ぺんすけ

記録は面倒に感じても、事業所を守る最後の砦になります。

入院時情報連携加算で記録に残す4項目(日時・場所・内容・手段)のチェックリスト。FAXやメールで提供した場合は、先方の受領確認を取り、確認した事実まで記録する必要がある

情報提供したのに未記録という指摘がある

青森県三戸町が公表した令和4年度の集団指導資料には、入院時情報連携加算について「医療機関に情報提供を行ったが、記録していない」という指摘事例が記載されています。

どの事業所の事例かは示されておらず、指摘の傾向を一般化して伝えるための資料です。

伝えた事実に自信があっても、記録という形に残していなければ、運営指導の場では確認のしようがありません。

出典:青森県三戸町 令和4年度 集団指導資料

支援経過のみでは記録不十分になりやすい

正直に言うと、支援経過記録への一言だけでは、記録として不十分と判断されるおそれがあります。必要なのは、情報提供を行った日時・場所・内容・手段を居宅サービス計画等に明記することです。

支援経過はあくまで経過の記録であり、要件が求める記録そのものの代わりにはなりません

情報提供の電話をかけたあと、支援経過記録に「入院時情報連携加算、情報提供済み」とだけ書いて済ませていたケースを考えます。
提供した日時や手段、伝えた内容の中身が記録から読み取れないため、運営指導では記録不十分と判断される可能性が高くなります。

出典:老企第36号 第三の16(1)

よくある質問

介護予防支援(要支援)の利用者でも入院時情報連携加算は算定できますか?

算定できません。介護予防支援費の単位数表には入院時情報連携加算に相当する項目がなく、算定の対象外です。

通院時情報連携加算や特定事業所医療介護連携加算とは何が違いますか?

通院時情報連携加算は、利用者が医師・歯科医師の診察を受ける際に介護支援専門員が同席し、情報を提供・受領して記録した場合に算定できます。

特定事業所医療介護連携加算は、前年度までの医療機関との連携実績(退院・退所加算35回以上など)と届出が要件ですが、いずれも入院時情報連携加算との併算定を禁止する規定はありません。

入院時情報連携加算で得た単位にも処遇改善加算は上乗せされますか?

上乗せされます。

介護職員等処遇改善加算は算定した単位数の1000分の21を加算する仕組みで、令和8年6月から居宅介護支援も対象になりました。

入院時情報連携加算そのものの単位数や算定要件は変わっていません。

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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