居宅介護支援事業所の人員基準|管理者の兼務についても解説

居宅介護支援事業所の人員基準は、ケアマネジャー(介護支援専門員)の員数と管理者の資格という2つの軸で決まります。

主任ケアマネジャーが突然退職して、残ったスタッフだけでケースを抱えることになると、この基準を割り込みます。ケアプランの更新やモニタリング訪問が追いつかなくなれば、運営基準減算として所定単位数が半分になり、2か月以上続くと報酬がゼロになる恐れもあります。

令和6年度改定では、ケアマネジャー1人が担当できる利用者数の上限が旧基準の35人から44人に引き上げられました。管理者の他事業所との兼務ルールも変わり、「同一敷地内」という制限が撤廃されています。

この変更を知っているかどうかで、実務判断に大きな差がつきます。

主任ケアマネジャーを管理者に置く義務の経過措置期限(令和9年3月末)まで残り1年を切りました。自事業所の体制が最新基準を満たしているか、今一度確認しておくべき時期にきています。

ぜひこの機会に確認しておきましょう。

Service
【先着3施設限定・30%OFF】
介護専門のホームページ制作サービス

かいごのヒカリは、介護業界で300名以上の転職面談を担当してきた元・キャリアアドバイザーが在籍。ご家族が入居前に不安に感じるポイントも、求職者が応募前に知りたい情報も熟知したうえで、集客と採用の両方に効くサイトを設計します。

重要事項説明書の公開や処遇改善加算の見える化といった行政対応も織り込み済み。制作期間中は何度でも無料でご相談いただけます。

今だけ先着3施設限定でモニター特別価格30%OFFを実施中ですので、ぜひお気軽にご相談ください!

目次

居宅介護支援事業所の人員基準とは

居宅介護支援事業所では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を必ず配置しなければなりません。

員数の計算に用いるのは実員数です。通所介護など他の介護サービスで採用されている常勤換算方式とは異なり、ケアマネジャーの実際の人数(頭数)で判定します。

なお、員数基準(利用者44人または49人ごとに1人)と、報酬の逓減が始まる件数(居宅介護支援費Ⅰは45件以上、居宅介護支援費Ⅱは50件以上)は別の制度です。数値が近いため混同しやすいですが、別々に管理してください。

出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(厚生省令第38号)第2条第2項厚生労働省「令和6年度 介護給付費等実態統計の概況」

令和6年度改定で35人から44人に変わった

令和6年度改定により、ケアマネジャー1人が担当できる員数基準の数値が変わりました。

基準員数計算の基準値
旧基準(〜令和5年度)利用者35人ごとに1人
現行基準(令和6年度〜)利用者44人ごとに1人

競合サイトの中にはまだ35人と書かれた記事が残っています。旧基準の資料やマニュアルをお使いの場合は、改定後の基準で計算し直すことが必要です。

ぺんすけ

「35人ルールで問題ない」と思っていた事業所でも、現行は44人ルールになっています。旧基準で作成された社内マニュアルをそのまま使い続けているケースは少なくありません。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)新旧対照表

介護予防支援の利用者は3分の1で換算する

員数計算でもっとも間違えやすいのが、介護予防支援の利用者数の算入方法です。

単純に合計するのではなく、介護予防支援の利用者数を3分の1に換算した数を居宅介護支援の利用者数に加算し、合算後の数で判定します。

例:居宅介護支援の利用者が30名、介護予防支援の利用者が18名の事業所の場合。
18名 × 1/3 = 6名と換算し、30名 + 6名 = 合算36名で判定します。この事業所では合算36名が44名以下のため、ケアマネジャーは1名で人員基準を満たせます。

介護予防支援を多く受託している事業所ほど、この換算を見落としやすいです。毎月の利用者数を集計する際は、換算後の合算数を確認する習慣をつけてください。

ぺんすけ

私が見聞きした範囲では、この換算計算を毎月確認しているケアマネ事業所は意外と少ないです。月末に慌てて気づくより、毎月同じタイミングで集計するルーティンをつくっておくと安心です。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数

非常勤の増員でも人員基準を満たす

居宅介護支援事業所の利用者数別必要ケアマネジャー員数を示す早見表。合算利用者数44人以下で1名、45〜88人で2名、89〜132人で3名が必要。

利用者の合算数が44名を超えて2人目のケアマネジャーが必要になった場合、その増員分は非常勤(パートタイム)でもかまいません。

解釈通知は「増員に係る介護支援専門員については非常勤とすることを妨げるものではない」と明示しています。

他の介護サービスは常勤換算方式で員数を計算するため、パートを追加しても換算値が上がりにくい仕組みになっています。

居宅介護支援は実員数で判定するため、非常勤ケアマネジャーを1名追加するだけで基準を満たせます。利用者数の増加に伴う人件費負担を段階的に抑えるうえで有効な選択肢です。

同じ人員基準という言葉を使っていても、サービス種別ごとに数え方の考え方はまったく違います。

たとえば通所介護(デイサービス)では定員規模ごとに必要な職種と常勤換算値が細かく定められています。パートを増やしても基準を満たせるとは限りません。

居宅介護支援と併設で通所介護を運営している場合は、小規模なデイサービスの人員基準も確認しておくと、自社内で計算方法を取り違えるリスクを減らせます。

ぺんすけ

居宅介護支援の実員数計算は、私が支援してきた事業所でも誤解が多い部分でした。常勤換算に慣れたスタッフが、居宅でも同じ計算をしてしまうケースがあります。「実員数」と「常勤換算」は別物だという認識を、担当者全員で共有しておきましょう!

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数

人員基準を49人に緩和する2つの要件

標準の員数基準は利用者44人ごとに1人ですが、次の2つの要件を両方満たすと利用者49人ごとに1人に緩和されます。

  • ケアプランデータ連携システムの導入
  • 事務職員の配置
ぺんすけ

令和6年度改定前はどちらか一方でよかった要件が、改定後は両方必須に変わっています!

この2要件を満たすと「居宅介護支援費Ⅱ」の算定も可能になり、逓減制が始まる件数が50件以上(居宅介護支援費Ⅰは45件以上)に緩和されます。担当件数が多い事業所ほど、収益面でのメリットが大きくなります。

出典:令和6年厚生労働省告示第86号指定居宅介護支援に係る留意事項通知

ケアプランデータ連携システムの導入が必須

1つ目の要件は、ケアプランデータ連携システムを活用していることです。

ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所の間でケアプランや実績をデータで受け渡しするための、国が整備したシステムです。

令和6年度改定前は、ICT機器の活用と事務職員の配置はいずれか一方を選ぶ形式でした。改定後はケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置の両方が必須になりました。

どちらか一方でよいという古い情報がまだ残っている場合は、改定後の要件を改めて確認してください。

例:現在ケアプランデータ連携システムを導入済みだが、事務職員の配置はない事業所のケース。この状態では2つの要件の一方しか満たしていないため、49人基準は適用されません。事務職員を配置して初めて、44人から49人への基準緩和が使えるようになります。

出典:指定居宅介護支援に係る留意事項通知解釈通知(老企第22号改正版)⑴

事務職員の配置も必須

2つ目の要件は事務職員の配置です。

ケアプランデータ連携システムの活用と合わせて、どちらか一方だけでは49人基準は適用されません

ぺんすけ

事務職員は常勤でなくてもかまいません。パート雇用でも、同一法人内の別事業所との兼務でも、業務の実情に応じた適切な配置であれば認められます。

勤務時間数の下限規定はないため、業務量に応じて柔軟に設定できます。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数

居宅介護支援事業所の管理者要件

居宅介護支援事業所の管理者には、法令が定める要件があります。なかでも主任介護支援専門員であることの要件は平成30年度改定から義務化されたものです。

2027年3月末に向けた経過措置の終了が迫っており、現在の管理者体制を早めに確認しておく必要があります。

管理者は常勤専従の主任ケアマネに限られる

管理者として置ける者は、次の3つをすべて満たす必要があります。

要件内容
資格要件主任介護支援専門員であること
勤務形態常勤(週32時間以上。育児・介護・治療の短時間措置適用者は週30時間以上)
専従義務専ら管理者業務に従事すること

常勤の要件は週32時間以上の勤務が基準です(育児・介護・治療措置適用者は週30時間)。

専従義務とは管理者業務のみを行うという意味ですが、同一事業所内のケアマネジャー業務との兼務は法令上の例外として認められています。

管理者とケアマネジャーを1人で兼ねる、いわゆる1人開業のスタイルは多くの事業所に見られ、法令上問題ありません。

ぺんすけ

1人で管理者とケアマネジャーを兼ねている事業所は少なくありません。その場合も、主任資格の有無と経過措置の適用状況を改めて確認しておくことをお勧めします。令和9年3月の経過措置終了が迫っているため、早めの対応が安心です。

出典:厚生省令第38号 第3条第2項解釈通知(老企第22号改正版)⑶ 用語の定義 ① 常勤・⑵ 管理者

令和9年3月末まで主任資格が猶予される

令和3年(2021年)3月31日時点で主任介護支援専門員でない者が管理者であった事業所については、その管理者が交代しない限り令和9年3月31日まで経過措置が継続されます。

例:令和3年3月時点で主任介護支援専門員の資格を持たないAさんが管理者として就任しており、2026年8月現在も同じ事業所の管理者を続けているケース。Aさんが管理者を続けている限り、令和9年3月31日まで経過措置が継続されます。ただし、Aさんが管理者を退いて別の方が後任管理者になった場合は、その後任者に主任資格が必要です。

2026年8月時点で経過措置の終了まで残り1年を切っています。令和9年度改定での見直し議論は始まっていますが、現時点では確定情報がなく、期限どおりに適用されることを前提に対応を進めることをお勧めします。

ぺんすけ

主任介護支援専門員研修の受講には、ケアマネジャーとしての通算5年(60か月)以上の実務経験が必要です。都道府県ごとに受講枠が限られており、早期に申し込まないと当年度に受けられないこともあります。2026年度中に受講できるかどうか、今すぐ都道府県の開催スケジュールを確認してください。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑵ 管理者 経過措置

主任が退職しても届出で1年は運営できる

経過措置とは別に、やむを得ない理由で主任ケアマネジャーを管理者に置けなくなった場合の救済規定があります。死亡・長期療養・急な退職・転居などの不測の事態が対象です。

この場合、次の2点を保険者(市区町村)に届け出ることで、1年間の猶予が与えられます。

  • 主任を管理者に置けなくなった理由
  • 今後の管理者確保のための計画書

保険者の判断によっては、1年を超えてさらに延長することも可能です。主任ケアマネジャーが急に退職した場合でも、この届出制度を活用することで次の管理者を確保する時間を確保できます。

慌てて基準を外れた状態のまま運営を続けるよりも、早めに保険者へ相談することが先決です。

例:令和8年7月に主任ケアマネジャーが急な病気で長期離脱となった事業所のケース。残る管理者は主任資格を持たず、令和3年3月時点ですでに管理者が交代していたため経過措置の対象外です。理由と管理者確保の計画書を速やかに保険者へ届け出ることで、最長1年間は現状のまま事業を継続しながら後任を探すことができます。

ぺんすけ

保険者への届出が遅れると、猶予を受けられない期間が生じる場合があります。主任ケアマネジャーが急に来られなくなったら、経緯を整理して速やかに担当窓口へ相談してください。届出を先延ばしにするほど、対応の選択肢が狭まります。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑵ 管理者

令和6年度改定後の管理者の兼務範囲

管理者は専ら管理者業務に従事することが原則ですが、法令は一定範囲の兼務を認めています。令和6年度改定では、他事業所との兼務に関するルールが大きく変わりました。

改定前は同一敷地内にある他の事業所に限られていた条件が撤廃されています。

別敷地の事業所との兼務も一定条件下で認められるようになりました。この変更を反映できていない記事がまだ残っているため、旧解釈のままの情報には注意が必要です。

同一事業所のケアマネ業務は兼務できる

管理者が同一事業所のケアマネジャー業務を兼務することは、法令上明確に認められています。解釈通知は「管理者が当該事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合」を専従義務の例外として明記しています。

ただし、管理者が外出している時間帯も含めて、利用者が適切に管理者に連絡を取れる体制を整えておく必要があります。電話転送の設定や緊急連絡先の周知といった対応が求められます。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑵ 管理者

別敷地の事業所とも支障がなければ兼務できる

居宅介護支援事業所の管理者の兼務可否マトリクス(令和6年度改定後)。同一事業所のケアマネ業務と老人介護支援センター職員との兼務は可、訪問介護・訪問看護等の管理者(別敷地含む)は管理に支障がなければ可、訪問系サービスの現場従事者は原則不可、介護保険施設の常勤専従ケアマネは不可、3職種以上の兼務は保険者によっては不可。

令和6年度改定後は、管理に支障がない場合に限り、別敷地の他事業所の職務との兼務も可能です。解釈通知の新旧対照表では同一敷地内にある他の事業所という限定が削除され、他の事業所に変更されています。

支障があると判断される典型例は次のとおりです。

類型具体的な状況
現場従事との兼務訪問系サービス事業所での現場訪問業務との兼務(勤務時間が極めて限られている場合を除く)
緊急対応不能事故・災害等の緊急時に管理者自身が速やかに事業所または利用者宅に駆けつけられない体制

一方、解釈通知が可能と考えられるとして挙げている例もあります。老人介護支援センターの職員、訪問介護や訪問看護等の管理者などがこれに当たります。

なお、介護保険施設に置かれた常勤専従のケアマネジャーとの兼務は認められません。

併設する訪問介護事業所の管理者を兼ねる体制は実際によく見られますが、兼務先である訪問介護側にも、管理者の資格や常勤専従に関する独自の要件があります。

居宅介護支援の側で兼務が認められても、訪問介護側の要件を満たせなければ体制は成り立ちません。兼務を検討する段階で訪問介護の管理者の要件(資格・兼務)を読み、両方の要件を突き合わせておくと、人事を決めたあとの手戻りを防げます。

例:居宅介護支援事業所の管理者が、道路を挟んだ別敷地の訪問介護事業所の管理者を兼ねるケース。令和6年度改定後は同一敷地内という限定が外れたため、管理に支障がなければ認められます。ただし訪問介護側で現場のサービス提供にも入る場合は、支障ありと判断される可能性が残ります。

ぺんすけ

埼玉県のガイドラインでは「3職種以上の兼務は管理上支障あり」として不可としています。こうした判断基準は保険者によって異なる場合があります。兼務の可否について判断に迷う場合は、事前に保険者(市区町村)へ確認することをお勧めします。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑵ 管理者(新旧対照表)埼玉県「介護保険法に規定する居宅サービス事業所等の管理者の兼務について」

特定事業所加算の区分別人員要件

特定事業所加算(介護報酬に上乗せされる加算)は、質の高いケアマネジメントを提供する事業所を評価する制度です。

区分はⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Aに分かれており、それぞれ人員要件が異なります。

加算Ⅰは常勤の主任ケアマネを必要とする

加算Ⅰは4区分の中で最も人員要件が厳しい区分です。常勤専従の主任ケアマネジャーを配置していることが人員要件の一つとして求められます。

加算Ⅰを取得している事業所は、利用者・家族・地域包括支援センターからも質の高い事業所として位置づけられます。

各区分の具体的な人員要件(必要な常勤主任ケアマネジャー数・常勤ケアマネジャー数など)は、解釈通知(老企第22号改正版)および令和6年度報酬告示で必ず一次確認してください。

ぺんすけ

特定事業所加算Ⅰの取得は、利用者・家族・地域包括支援センターから見た安心感につながります。採用でも「Ⅰを取っている事業所で働きたい」という声をよく聞いていました。人員要件が整ってきたら、加算Ⅰを視野に入れた体制づくりを早めに検討してください!

加算Ⅱは主任資格がなくても算定できる

加算Ⅱ・Ⅲは加算Ⅰより人員要件が緩和されており、管理者が主任資格の経過措置中(令和9年3月末まで)であっても算定できる可能性があります。

経過措置の終了に備えながら加算取得も並行して進めたい場合は、まず加算Ⅱの要件から確認することをお勧めします。

加算Ⅱ・Ⅲの具体的な人員要件も、解釈通知の原文でご確認ください。

ぺんすけ

経過措置が終わる前に加算Ⅱ以上を目指す動きは、採用力の強化と報酬の安定という意味でも有効です。具体的な要件は解釈通知で一次確認のうえ、早めに保険者へ相談しながら体制を整えてください。

加算Aは他事業所との連携で人員を補える

加算Aは、他の指定居宅介護支援事業所との連携を前提にした区分です。単独での人員確保が難しい小規模な事業所も、連携によって加算の算定対象になる可能性があります

加算Aの具体的な連携要件・人員要件については、解釈通知の加算A該当箇所を直接ご確認ください。

ぺんすけ

加算Ⅰ・Ⅱを狙って人員を先に増やしてから、要件を満たせず断念する事業所を見てきました。まず自事業所の現在の体制でどの区分に手が届くかを確かめ、そこから逆算して採用計画を立てる順番をお勧めします。

居宅介護支援事業所の規模別人員配置例

人員基準を満たしているかは、利用者数と配置人数を突き合わせて初めて判断できます。判定に使うのは、居宅介護支援の利用者数に介護予防支援の利用者数を3分の1で換算して足した合算数です。

この合算数が44人(緩和要件を満たす場合は49人)またはその端数を増すごとに、1人ずつ増員します。

見落とされやすいのが増員の扱いです。令和6年度改定前の解釈通知は「増員することが望ましい」という表現でした。改定後は「増員するものとする」に改まり、努力目標ではなく満たすべき配置として書かれています。

利用者40人の小規模は常勤1人で足りる

居宅介護支援の利用者が33人、介護予防支援の利用者が21人の事業所で考えます。介護予防支援は21人を3分の1に換算して7人となり、合算は40人です。

44人以下なので、必要なケアマネジャー(介護支援専門員)は1人だけです。

役割人数勤務形態判定のポイント
管理者 兼 介護支援専門員1人常勤主任介護支援専門員。常勤ケアマネジャー1人以上の要件も同時に満たす
増員の介護支援専門員0人合算44人以下のため不要
事務職員0人44人基準で運用する限り配置義務なし

この1人体制がOKになるのは、管理者が同じ事業所のケアマネジャー業務を兼ねてよいためです。管理者は常勤専従が原則ですが、自事業所のケアマネジャー職務に従事する場合は専従でなくてかまいません。

NGに変わる境目は合算45人です。1人でも超えた月から、2人目の配置が必要になります。

例:合算40人の事業所が、介護予防支援を6人追加で受託したケース。
6人を3分の1換算した2人が加わって合算42人になるため、まだ1人で足ります。
翌月に居宅の新規を3人受けて合算45人に達した時点で、2人目が必要です。

ぺんすけ

ケアマネジャーが1人の事業所ほど、この境目を月末まで意識していないことがあります。新規の依頼を受けるかどうかを判断する前に、合算数を確認する順番にしておくと安全です。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数・⑵ 管理者

利用者70人は増員1人を非常勤にできる

合算70人の事業所は、44人ごとに1人の基準から2人が必要です。2人目を常勤で採用できなくても、非常勤のケアマネジャー1人で基準を満たせます

役割人数勤務形態判定のポイント
管理者 兼 介護支援専門員1人常勤常勤のケアマネジャーを1人以上置く要件を満たす
増員の介護支援専門員1人非常勤増員分は非常勤で差し支えない
事務職員0人44人基準で運用するため任意

解釈通知は、増員分のケアマネジャーを非常勤としてよいと明示しています。週3日勤務のパートタイマーでも、実員数としては1人と数えます。

このパターンでつまずきやすいのが、非常勤の兼務先です。介護保険施設に常勤専従で置かれているケアマネジャーは、居宅側の増員として数えられません。

解釈通知が、兼務を認めない相手方として名指ししているためです。

ぺんすけ

私がキャリアアドバイザーとして求人を見ていた頃も、2人目を非常勤で募集する居宅は多くありました。常勤にこだわって採用が止まるより、非常勤で基準を満たしてから常勤化を検討するほうが現実的です。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数

利用者95人でも要件次第で2人で足りる

合算95人になると、44人基準では3人が必要です。2人で対応できるのは88人までだからです。ここで効いてくるのが、49人基準への緩和要件です。

判定に使う基準合算95人で必要な人数前提となる要件
44人基準3人追加要件なし
49人基準2人データ連携システムの活用と事務職員の配置の両方

ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ事務職員を配置していれば、98人まで2人で運営できます。ケアマネジャー1人分の人件費が変わるため、経営へのインパクトは小さくありません。

担当件数の配分にも余裕が生まれます。95人を2人で分けると1人あたり47.5件となり、居宅介護支援費Ⅱの逓減が始まる50件を下回ります。人員基準と報酬の両方を、同じ体制で満たせる形です。

例:合算95人・ケアマネジャー2人・事務職員1人で運営していた事業所で、事務職員が退職したケース。
補充しないまま月をまたぐと49人基準の要件を欠き、判定は44人基準に戻ります。
合算95人には3人が必要になるため、その時点で1人不足の状態です。

要件は、満たした時点ではなく維持できているかで見られます。事務職員の欠員やシステムの利用停止は、そのまま人員不足に直結します。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

常勤ゼロと兼務の数え違いで基準を割る

配置人数を数え間違えて基準を割るパターンは、大きく5つの型に分かれます。

NG配置の例満たせていない要件
ケアマネジャーが全員非常勤事業所ごとに常勤のケアマネジャーを1人以上置くこと
管理者が非常勤管理者は常勤(週32時間以上)であること
管理者が主任資格を持たず届出もない主任介護支援専門員の要件と経過措置の届出
介護保険施設の常勤専従ケアマネジャーを増員に数える兼務が認められない相手方であること
システムだけ導入し事務職員なしで49人と計算49人基準は2つの要件を両方満たす場合のみ適用

4番目と5番目は、書類の上では人数がそろって見えるため気づきにくい型です。実員数の一覧を作るときは、1人ずつ兼務先と勤務形態まで書き出してください。

一方で、超過した瞬間にすべてが違反になるわけではありません。緊急的に利用者を受け入れざるを得なかった場合は直ちに運営基準違反としないよう留意すると解釈通知が定めています。

対象は、やむを得ない理由がある場合に限られます。増員しないまま超過が続く運用まで認められるわけではありません。

ぺんすけ

人員基準は、割ってから直すより割る前に気づくほうが圧倒的に楽です。毎月の合算数と、ケアマネジャー1人ずつの勤務形態を1枚にまとめておくだけで、指摘の大半は防げます。

出典:解釈通知(老企第22号改正版)⑴ 介護支援専門員の員数・⑵ 管理者

人員基準を満たせない場合のリスク

人員基準を満たせない状態が続くと、事業所は報酬減算から行政処分まで段階的なリスクにさらされます。問題が大きくなる前に気づいて手を打つことが、事業を継続するための最善策です。

人員の急な欠員や採用難が重なったとき、取れる対応の幅は対処の速さで変わります

運営基準減算で報酬が半分に減る

居宅介護支援には、通所介護など他サービスにある人員基準欠如減算(100分の70)という減算は存在しません

他サービスのルールを居宅介護支援に誤って当てはめた情報が一部の記事に残っているため、注意が必要です。

居宅介護支援で実際に存在する減算は運営基準減算です。ケアプランの説明・同意、モニタリングの実施などの運営基準を守れない状態が続いた場合に適用されます。

所定単位数が50/100(半分)に減算され、2か月以上継続すると算定なし(報酬ゼロ)になります。

人員が不足してケアマネジャーの業務が逼迫すると、モニタリング訪問や担当者会議の開催が滞り、運営基準違反につながりやすくなります。減算を知らないまま誤った請求を続けた場合は不正請求とみなされ、指定取消リスクが高まります。

運営基準減算は居宅介護支援に固有の仕組みですが、運営基準を守れなければ報酬が減るという構造そのものは、他の介護サービスにも共通しています。

減算の名称も割合もサービスごとに異なるため、複数のサービスを運営している事業者ほど取り違えが起きやすい部分です。

併設事業所がある場合はデイサービスの運営基準とは|違反による減算についても解説にも目を通し、サービス別に減算の種類を整理しておくと請求ミスの予防につながります。

ぺんすけ

人員が逼迫しているときほど、記録の遅れやモニタリング訪問のすっぽかしが起きやすくなります。減算になってから気づくのでは遅く、兆候が出た段階で早めに人員確保の手を打つことが大切です。

出典:厚生労働省「介護報酬に係る加算・減算コード表 201 居宅介護支援費」

改善しなければ指定を取り消される

人員基準を満たせない状態そのものが続けば、減算を経る前に行政処分の対象になります。改善勧告に従わない場合は指定の効力の一部停止・全部停止から指定取消へと段階的に進みます

実地指導・運営指導では、人員基準に関する書類の確認が行われます。次の書類を日常的に整備しておくことが、突然の運営指導にも落ち着いて対応できる体制につながります。

  • ケアマネジャーの雇用契約書・勤務実績表
  • 管理者の資格証(主任介護支援専門員証)
  • 経過措置対象の確認書類(令和3年3月時点での管理者氏名等)

例:人員基準を満たせない状態が2か月続いた事業所で、保険者からの改善勧告に適切に対応しなかったケース。まず改善勧告、次に一部効力停止、そして最悪の場合は指定取消という流れで行政処分が進みます。書類整備と速やかな報告を重ねることが、早期の収束につながります。

人員基準を守ることは事業継続の前提ですが、基準を満たしているだけでは採用難の根本は解決しません。

採用がうまくいかない居宅介護支援事業所の多くは、安定した人員体制や働きやすさの実態をホームページで発信できていないというのが私の率直な見方です。人員体制を整えた上でその事実を外に届ける仕組みをつくることが、採用の底力になります。

ぺんすけ

運営指導では「今日持ってきてください」と言われる書類が複数あります。雇用契約書・勤務実績表・管理者の資格証は、デジタル保存でも物理ファイルでも、すぐ出せる状態にしておきましょう。

居宅介護支援事業所の人員基準に関するよくある質問

居宅介護支援事業所の管理者に必要な資格は何ですか?

原則として主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)であることが必要です。

ただし令和3年3月31日時点で主任資格を持たない管理者がそのまま続けている場合は、令和9年3月31日まで経過措置が適用されます。

経過措置の対象かどうかは「令和3年3月時点で管理者であったか・現在も同じ管理者が続いているか」で判断します。

居宅介護支援事業所の管理者は兼務できますか?

同一事業所のケアマネジャー業務との兼務は可能です。

令和6年度改定後は、別敷地の他事業所の職務との兼務も管理に支障がない場合に限り認められるようになりました。

ただし訪問系サービスの現場業務への従事や、緊急時に速やかに駆けつけられない体制は支障ありとして兼務不可とされています。

ケアマネジャー1人で何人の利用者を担当できますか?

標準の員数基準では、介護予防支援利用者を1/3換算した合算で44人までです。

ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置の両方を満たした場合は49人まで担当できます。

上限を超えた場合でも、非常勤のケアマネジャーを1名追加することで基準を満たせます。

事務職員は必ず配置しなければなりませんか?

義務ではありません。ただし49人基準(居宅介護支援費Ⅱ)を使いたい場合は、
ケアプランデータ連携システムの活用と合わせて配置が必須です。

常勤でなくてもよく、勤務時間数の下限規定もないため、業務量に応じた柔軟な配置が可能です。

まとめ

令和6年度改定後の人員基準の要点を、確認項目としてまとめます。自事業所の状況と照らし合わせて、見直しが必要な箇所を把握してください。

確認項目チェックポイント
ケアマネジャーの員数介護予防支援を1/3換算した合算利用者数が44人以下か。超えていれば1名以上の追加が必要
49人緩和要件ケアプランデータ連携システムと事務職員の両方を配置できているか
管理者の資格主任介護支援専門員か、または令和3年3月時点からの経過措置が適用されているか
経過措置の期限令和9年3月末までに主任資格を取得できる見通しがあるか
管理者の兼務状況他事業所との兼務がある場合、「管理に支障がない」状態を維持できているか
特定事業所加算現在の人員体制で取得できる加算区分を確認できているか
書類整備雇用契約・勤務実績・管理者の資格証が随時確認できる状態か

人員基準は守ればよい最低限のルールではなく、安定した事業継続と採用力の基盤です。しかし、基準を守りながら少人数で地域のケアマネ不足を支える経営は容易ではありません。

自事業所の強みをホームページで発信することが、採用・集客の両面で大切な一手になります。

ぺんすけ

人員基準の確認は、年1回だけでなく人員の入退職や利用者数の変動があるたびに実施することをお勧めします。スタッフの異動が重なった時期に気づかないまま基準を割っているケースが、実際にあります。

Teraceでは、居宅介護支援事業所のホームページ制作・採用ページ制作を承っています。人員体制が整ったら、次は発信力を高める体制づくりを始めましょう。

介護のホームページ制作はTeraceにお任せ!

当メディアを運営する私達は、介護専門のホームページ制作サービス「かいごのヒカリ」を運営しています。

ディレクター、デザイナー、フロントエンジニアの合計3名で、各分野のプロが協力してホームページを制作しています!

「かいごのヒカリ」の特徴
  • 介護業界で2年間採用に携わっていたスタッフが制作を担当
  • インターネット公表の義務化に対応(重要事項説明書・運営規定など)
  • サイト更新は丸投げしてもらってOK
  • ホームページ制作期間中は何度でも無料相談できる
  • 顔の出ているフリーランス3人が運営

現在の料金プランは、下記のとおりです。

2026年8月現在、先着3施設のみ制作費用を5万円割引で対応しています。

ホームページ制作を考えている方は、ぜひ介護特化のホームページ制作サービス「かいごのヒカリ」のサイトをご覧ください。

>>「かいごのヒカリ」のサービスサイトへ

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

コメント

コメントする

目次