【2026年】居宅介護支援事業所の加算一覧|算定要件を解説!

居宅介護支援の加算は、令和8年6月に1本増えて9本になりました。介護職員等処遇改善加算が新設され、これまで対象外だったケアマネジャーの処遇改善にも報酬が付くようになったのです。

今回の記事では、居宅介護支援事業所の加算9本と減算5本、単位数から算定できる頻度、そして届出が要るかどうかまで一枚にまとめました。どれから取りに行けばよいかも、あとの見出しで実際の算定率をもとに順番に並べています。

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目次

居宅介護支援の加算9本・減算5本の単位数

この記事は令和8年6月改定に対応しています。

居宅介護支援費の告示別表は、基本報酬の「イ」から処遇改善加算の「ヌ」まで10項目で完結しており、他のサービスにあるような加算がまぎれ込む余地はありません。

まずは加算と減算の全件を、単位数・算定できる頻度・届出の要否・算定率まで並べた表で確認しましょう。

スクロールできます
加算名単位数または率算定できる頻度・上限届出の要否算定率(令和7年11月審査分)告示
初回加算300単位1月につき1回不要70.68%
特定事業所加算(Ⅰ)/(Ⅱ)/(Ⅲ)/(A)519/421/323/114単位1月につき・いずれか1区分のみ必要1.71%/23.84%/14.08%/0.89%
特定事業所医療介護連携加算125単位1月につき必要1.07%
入院時情報連携加算(Ⅰ)/(Ⅱ)250/200単位利用者1人につき1月に1回・いずれか一方不要40.80%/28.89%
退院・退所加算(Ⅰ)イ〜(Ⅲ)450〜900単位入院・入所期間中1回を限度・いずれか1区分不要0.88〜18.69%
通院時情報連携加算50単位利用者1人につき1月に1回不要13.12%
緊急時等居宅カンファレンス加算200単位利用者1人につき1月に2回を限度不要0.24%
ターミナルケアマネジメント加算400単位1月につき(死亡月に算定)必要2.56%
介護職員等処遇改善加算総単位数の1000分の21(2.1%)1月につき必要―(令和8年6月新設のため未公表)
ぺんすけ

「うちの事業所はどれを取れているだろう」と、表を上から順にチェックしてみてください。

訪問介護を組み合わせてケアプランを作成している場合は、訪問介護の加算一覧【令和6年度改定対応】もあわせて確認すると、サービス全体の抜け漏れに気づけます。

減算は5種類です。加算とは逆に、要件を欠くと単位数が下がったり、報酬そのものがゼロになったりします。

減算名率または単位数発生する条件適用が始まる時点
運営基準減算所定単位数の100分の50(2月以上継続で算定なし)説明義務・面接・会議・同意・モニタリング等の未実施該当した月から
特定事業所集中減算1月につき200単位前6月の訪問介護等の同一事業者割合が100分の80超該当した月から
同一建物減算所定単位数の100分の95(5%減)同一敷地内・隣接地の建物、または同一建物に20人以上居住令和6年度改定で新設
高齢者虐待防止措置未実施減算所定単位数の100分の1委員会・指針・研修・担当者のいずれかを欠く欠いた事実が生じた月の翌月から
業務継続計画未策定減算所定単位数の100分の1業務継続計画の未策定令和7年4月1日から適用

表1・表2には入れていない加算が、事業所の立地に応じて率で加算する3本です。この3本は単位数ではなく率で乗るため、表の単位数列には含めていません。

加算名届出の要否
特別地域居宅介護支援加算100分の15必要
中山間地域等における小規模事業所加算100分の10必要
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算100分の5不要

届出が要るのは特別地域居宅介護支援加算と中山間地域等における小規模事業所加算の2本だけで、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算には届出が要りません。

事業所がどこにあるかで決まる加算は体制届の対象になり、利用者がどこに住んでいるかで決まる加算は、その都度の訪問実績で成立するため体制届の対象になりません。

居宅介護支援の加算12本を届出の要否で3レーンに分けた図。届出なしで今月から取れる6本、届出ありで翌月から取れる3本、体制を作ってから届け出る3本

ここまでで加算は12本になりました。どれが届出なしで取れて、どれが体制づくりから始まるのかを1枚に整理しています。

ここまでの加算・減算を踏まえ、平均的な事業所の収支に加算を1本ずつ足すとどれだけ増収になるかを試算しました。

母数には令和6年度決算の全国平均を使います。居宅介護支援事業所1事業所当たりの実利用者数は116.5人/月、介護支援専門員(常勤換算)は2.4人で、1人当たりの実利用者数は48.4人/月です。

実利用者1人当たりの収入は12,206円/月(コロナ関連・物価高騰対策関連の補助金を除く)なので、平均的な事業所の月間収入の目安は約142万円になります。

表3|収支試算(独自試算)

加算単位数その他地域(1単位10.00円)1級地(1単位11.40円)適用範囲
初回加算300単位3,000円3,420円新規契約の利用者1人につき
入院時情報連携加算(Ⅰ)250単位2,500円2,850円入院した利用者1人につき
通院時情報連携加算50単位500円570円受診に同席した利用者1人につき
特定事業所加算(Ⅲ)323単位3,230円3,682円担当する利用者1人につき毎月

特定事業所加算は、届け出た月から担当するすべての利用者に加算が乗ります。
実利用者116.5人の事業所が特定事業所加算(Ⅲ)を届け出た場合、323単位×116.5人=37,629.5単位です。
その他地域なら1単位10.00円で約37.6万円、1級地なら1単位11.40円で約42.9万円の増収が目安になります。
これは全国平均の実利用者数を使った独自試算であり、個々の事業所の数字ではありません。
特定事業所加算(Ⅲ)を届け出るには、主任介護支援専門員1名以上を含む常勤専従3名の体制が要件になるため、増収分は人件費と合わせて検討する必要があります。

自分1人で運営している事業所の場合は、体制要件を先に確認したほうが早いこともあります。居宅介護支援事業所|1人のケアマネジャーで運営できる件数と収入で、担当できる件数と収入の目安を確認できます。

居宅介護支援の加算を算定率の高い順に並べた横棒グラフ。初回加算70.68パーセントから、ターミナルケアマネジメント加算2.56パーセントまで8本の算定率と単位数を示す(令和7年11月審査分)

加算は、届出の要否によって取りに行くタイミングが変わります。

今月から取れる加算、来月に向けて届出が必要な加算、体制を整えてから半年〜1年かけて取る加算という3段階に分けて、この先のH2で1本ずつ見ていきます。

なお、他サービスで一般的な科学的介護推進体制加算(LIFE関連加算)・サービス提供体制強化加算・生産性向上推進体制加算・人員基準欠如減算は、居宅介護支援費には存在しません

他サービスの制度を居宅介護支援にそのまま当てはめないよう注意してください。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(厚生労働省告示第20号)

出典:社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6厚生労働省老健局「令和7年度介護事業経営概況調査結果(案)」第13表

加算の土台になる居宅介護支援費の逓減

居宅介護支援の加算は、すべて居宅介護支援費という土台の上に乗ります。土台が下がれば、率で加算する処遇改善加算や地域系3加算も、連動して下がります。

まずは土台となる居宅介護支援費(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数と、取扱件数で単位数が下がる仕組みを確認しましょう。

区分要介護1・2要介護3・4・5
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)1,086単位1,411単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅱ)544単位704単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅲ)326単位422単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ)1,086単位1,411単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅱ)527単位683単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅲ)316単位410単位
居宅介護支援費(Ⅰ)と(Ⅱ)の逓減を比べた階段図。要介護3から5の場合に(Ⅰ)は45件目、(Ⅱ)は50件目から単位数が下がることを示す

45件目から単位数が下がり始める

居宅介護支援費(Ⅰ)は、1件目から44件目までが1,086単位(要介護1・2)または1,411単位(要介護3〜5)です。

45件目からは544単位(要介護1・2)・704単位(要介護3〜5)に下がり、60件以上の部分はさらに単位数が下がります。利用者への割り当ては、契約日が古い順です。

長く担当している利用者から先に高い単位数が付き、新しく契約した利用者ほど低い区分に入りやすくなります。

担当件数が50件のケアマネジャーがいる事業所を考えてみます。契約日が古い順に1件目から44件目までは1,086単位(要介護1・2の場合)、45件目から50件目までの6件は544単位です。件数が増えるほど、1件あたりの単価は下がっていく仕組みです。

ぺんすけ

契約日を並べ替えて単価を調整することはできません。あくまで契約した順番で自動的に決まる仕組みです。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 イ注1老企第36号 第三の7

(Ⅱ)の届出で逓減の開始が50件目に延びる

居宅介護支援費(Ⅱ)は、ケアプランデータ連携システムの利用と事務職員の配置の両方を満たし、市町村長に届け出た事業所が対象になります。(Ⅰ)と違い、逓減が始まる件数が45件目から50件目に延びます。

1件目から49件目までが1,086単位・1,411単位、50件目以降が527単位・683単位です。

ぺんすけ

「システムを入れるだけで届出が済むなら、(Ⅱ)を選ばない理由はない」と考える事業所は多いです。

届出をしていない事業所は自動的に(Ⅰ)の扱いになり、45件目から単位数が下がります。同じ50件を担当していても、(Ⅱ)を届け出ているかどうかで、単位数が下がり始めるタイミングが5件分ずれます。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 イ注2老企第36号 第三の7

居宅介護支援で届出なしに取れる5つの加算

居宅介護支援の加算は、告示の注を1本ずつ読むと、届出の限定が付く加算と付かない加算に分かれます。この先で紹介する5本は届出を待たずに、要件を満たした月からそのまま算定できます。

ぺんすけ

ちなみに届出が要らない加算は、率で加算する中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算を入れると6本になります!

この1本は利用者がどこに住んでいるかで決まる加算のため届出が要らず、単位数ではなく率で加算します。ここでは単位数で加算する5本を1本ずつ見ていきます。

スクロールできます
加算名単位数算定できる場面1回あたりの上限算定率残す記録
初回加算300単位新規契約・要支援からの認定・区分二段階以上の変更1月につき1回70.68%該当理由を明記した居宅サービス計画
入院時情報連携加算(Ⅰ)250単位入院した当日に情報を提供利用者1人につき1月に1回40.80%提供日時・場所・内容・手段の記録
入院時情報連携加算(Ⅱ)200単位入院の翌日または翌々日に情報を提供同上28.89%同上
退院・退所加算(5区分)450〜900単位退院・退所時のカンファレンス参加・情報連携入院・入所期間中1回を限度0.88〜18.69%情報提供日・カンファレンス実施の記録
通院時情報連携加算50単位医師・歯科医師の受診に同席利用者1人につき1月に1回13.12%提供・受領した情報の記録
緊急時等居宅カンファレンス加算200単位病院・診療所の求めによる訪問カンファレンス利用者1人につき1月に2回まで0.24%実施日・参加職種・要点の記録

新規契約の月に初回加算300単位を取る

初回加算300単位は、3つの場面で算定できます。

新規に居宅サービス計画を作成した場合、要支援の認定を受けていた人が要介護認定を受けて計画を作り直した場合、そして要介護状態区分が二区分以上変わって計画を作り直した場合です。

運営基準減算に該当する月は算定できません

初回加算を算定する月は、退院・退所加算を算定しません。

データによれば、初回加算を算定している事業所は70.68%にのぼります。全加算の中でもっとも算定率が高く、取れていなければまず疑うべき1本目です。

要支援だった利用者が要介護1の認定を受け、居宅サービス計画を作り直したケースでは、新規契約でなくても初回加算300単位を算定できます。要介護状態区分の変更でも、二区分以上変わっていれば同じように算定できます。

ぺんすけ

算定率がもっとも高い加算です。取れていない月があれば、まずここから確認することをおすすめします。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 ロ老企第36号 第三の12社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6

入院した当日に情報を届けて250単位を取る

入院時情報連携加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、利用者が入院した際に医療機関へ情報を提供すると算定できます。

(Ⅰ)は入院した日のうちに提供した場合の250単位、(Ⅱ)は入院の翌日または翌々日に提供した場合の200単位で、いずれか一方だけを算定します。

令和6年度改定より前は「3日以内」「4〜7日以内」という日数の基準でしたが、現在は入院当日か翌日・翌々日かというタイミングの基準に変わり、単位数も上がりました。

提供した日時・場所・内容・手段は、居宅サービス計画等に記録しておく必要があります。(Ⅰ)の算定率は40.80%、(Ⅱ)は28.89%です。1日早く情報を届けられるかどうかで、50単位の差が付きます。

ぺんすけ

入院の連絡を受けたその日のうちに、心身の状況や生活環境を医療機関へ伝えられるかどうかが分かれ目になります。

出典:老企第36号 第三の16大臣基準告示第85号社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6

退院・退所加算で450〜900単位を取る

退院・退所加算は、入院・入所期間中に1回を限度として5つの区分のいずれかを算定します。

区分情報収集回数カンファレンス参加単位数
(Ⅰ)イ1回なし450単位
(Ⅰ)ロ1回あり600単位
(Ⅱ)イ2回以上なし600単位
(Ⅱ)ロ2回以上あり750単位
(Ⅲ)3回以上あり900単位

カンファレンスへの参加の有無と、情報提供の回数によって450単位から900単位まで分かれますが、5区分の詳しい要件とカンファレンスの数え方は、この記事では概要だけに留めます。

算定率は下位区分に偏っています。もっとも算定率の高い区分である(Ⅰ)イが18.69%である一方、最上位の(Ⅲ)は0.88%にとどまります。

上位区分ほど取れていないということは、そのぶん伸びしろがあるとも言えます。

ぺんすけ

上位区分をいきなり狙うより、いま算定できている区分を把握するところから始めると動きやすくなります。

退院・退所加算の5区分ごとの要件とカンファレンスの数え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

出典:大臣基準告示第85号の2社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6

受診に同席して50単位を取る

通院時情報連携加算は、次の3つを満たすと算定できます。

  • 利用者が医師または歯科医師の診察を受ける際に介護支援専門員が同席すること
  • 医師・歯科医師へ必要な情報を提供すること
  • 受けた情報を居宅サービス計画に記録すること

令和6年度改定で歯科医師も対象に加わりましたが、単位数の50単位そのものは変わっていません。同席には利用者本人の同意が必要です。

算定率は13.12%です。診察のたびに同行しなくても、必要な受診にだけ同席すれば算定できる加算です。

ぺんすけ

すべての受診に同席する必要はありません。情報連携が必要な受診にだけ同席すれば算定できます。

利用者が歯科の定期受診に同席し、口腔状態の変化を歯科医師と共有したうえで居宅サービス計画に反映すれば、通院時情報連携加算50単位を算定できます。

出典:老企第36号 第三の18社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6

医療機関に呼ばれた訪問を月2回まで取る

緊急時等居宅カンファレンス加算200単位は、病院または診療所の求めにより、その病院等の医師や看護師などと一緒に利用者の自宅を訪問し、カンファレンスを行った場合に算定します。

利用者1人につき1月に2回までが上限です。次の3点を、居宅サービス計画等に記載しておきます。

  • 実施日
  • 参加した医療関係職種等の氏名
  • カンファレンスの要点

算定率は0.24%で、全加算の中でもっとも低い数字です。狙って取りに行くというより、該当した月に取り漏らさないための1本だと位置づけたほうが実態に合っています。

ぺんすけ

「呼ばれたら行く」だけの加算ですが、記録を残していないと取り漏れがおこるので注意が必要です!

出典:老企第36号 第三の19社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回資料6

体制を整えてから届け出る加算3本

居宅介護支援で届出が必要な加算のうち、人員体制や実績を先に積み上げてから届け出る加算が3本あります。

特定事業所加算、ターミナルケアマネジメント加算、特定事業所医療介護連携加算です。

届出先はいずれも市町村長で、居宅系サービスは算定を開始する月の前月15日までに体制届を提出し、翌月から算定を始めます。

ぺんすけ

体制届は前月15日が締切です。
月末ギリギリに慌てないよう、必要な人数と要件を先に確認してから準備を進めましょう。

加算名届出先期日先に必要な体制算定率
特定事業所加算(Ⅰ)市町村長算定を開始する月の前月15日まで主任介護支援専門員2名+介護支援専門員3名の計5名など13要件1.71%
特定事業所加算(Ⅱ)同上同上主任介護支援専門員1名+介護支援専門員3名の計4名など23.84%
特定事業所加算(Ⅲ)同上同上主任介護支援専門員1名+介護支援専門員2名の計3名など14.08%
特定事業所加算(A)同上同上主任介護支援専門員1名+介護支援専門員1名+常勤換算1名の計3名など0.89%
ターミナルケアマネジメント加算同上同上24時間連絡体制の確保2.56%
特定事業所医療介護連携加算同上同上連携実績(35回以上・看取り15回以上)と特定事業所加算の算定1.07%

出典:老発0313第6号「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」4⑴

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 各注

特定事業所加算(A)は3人体制から届く

特定事業所加算は4区分あり、必要な人数が多いほど単位数も高くなります。

特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)の区分ごとの要件を並べたマトリクス表。(A)は4つの要件を他の居宅介護支援事業所との連携で満たせることを示す
区分単位数主任介護支援専門員の人数介護支援専門員の人数要介護3〜5が40%以上
(Ⅰ)519単位2名3名必要
(Ⅱ)421単位1名3名不要
(Ⅲ)323単位1名2名不要
(A)114単位1名1名+常勤換算1名不要

いずれの区分にも共通して求められる要件があります。

  • 定期的な会議(おおむね週1回以上)の開催
  • 24時間の連絡体制・相談対応体制の確保
  • 介護支援専門員への計画的な研修の実施
  • 地域包括支援センターから紹介された困難事例の受け入れ
  • ヤングケアラーなど他制度の事例検討会・研修等への参加
  • 実務研修の実習への協力
  • 他法人の居宅介護支援事業者との共同事例検討会・研修会
  • インフォーマルサービスを含む包括的な居宅サービス計画の作成
  • 特定事業所集中減算の適用を受けていないこと

かつては運営基準減算の適用を受けていないことも条件として含まれていましたが、令和6年度改定でこの部分は削除されました。現行の要件は特定事業所集中減算の適用を受けていないことのみです。

古い解説記事のまま要件を数えると、実際より1つ多く数えてしまいます。

ぺんすけ

要件を数えるときは、必ず最新の老企第36号で確認してください。古い情報のままだと数を誤ります。

算定率を見ると、単位数が最も高い(Ⅰ)は1.71%しか取れていません。実際に多くの事業所が算定しているのは(Ⅱ)の23.84%と(Ⅲ)の14.08%で、(A)は0.89%にとどまります。

上位区分から順に狙うのではなく、自事業所の人員体制に届く区分から取りに行くほうが実態に合っています

(A)には特例があります。次の4つの要件は、他の居宅介護支援事業所との連携で満たすことも認められています

  • 24時間連絡体制の確保
  • 研修の実施
  • 実習への協力
  • 他事業所との共同事例検討会

小規模な事業所でも、単独ですべてを抱え込む必要はありません。

介護支援専門員が3名在籍し、うち1名が主任介護支援専門員という体制の事業所を考えます。この場合は特定事業所加算(Ⅲ)の人数要件(主任1名+介護支援専門員2名)を満たします。(Ⅰ)特有の要介護3〜5が40%以上という条件はないため、(Ⅲ)から先に届け出るほうが現実的です。

キャリアアドバイザー時代、私は求人票に「特定事業所加算(Ⅰ)算定事業所」と書いてある居宅介護支援事業所を見ると、体制が整っている事業所だと求職者に説明しやすいと感じていました。

逆に、加算の記載がない事業所は、体制について一から説明を尽くさなければならず、求職者への伝え方に手間がかかっていました。

特定事業所加算の人員要件と、事業所全体の人員基準(44人ルール)は別物です。詳しくは以下の記事で確認してください。

出典:厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第95号)第84号イ〜ニ老企第36号 第三の14(3)(全国老人保健施設協会 法令・Q&A検索システム)社会保障審議会-介護給付費分科会 第259回(令和8年6月29日)資料6 p.6(令和7年11月審査分)

在宅で看取った月に400単位が付く

ターミナルケアマネジメント加算は、在宅で看取りを行った月に400単位が付く加算です。算定するには、次を満たす必要があります。

  • 死亡日および死亡日前14日以内に2日以上、利用者の同意を得て居宅を訪問すること
  • 心身の状況などを記録すること
  • 記録を主治医とケアプランに位置づけた事業者へ提供すること

届出要件は24時間連絡体制の確保です。

令和6年度改定で対象が広がりました。それまでは末期の悪性腫瘍の患者に限られていましたが、現行は医師が回復の見込みがないと診断した利用者であれば対象になります。

悪性腫瘍以外の疾患でも算定できる場面が増えています。

神経難病で在宅療養をしていた利用者について、主治医が回復の見込みがないと診断し、家族に終末期の医療・ケア方針の意向を確認しました。死亡日を含む14日間のうち3日訪問して記録を残した場合、ターミナルケアマネジメント加算400単位を算定できます。

算定率は2.56%です。1人の利用者につき算定できるのは1事業所のみで、看取りの現場に立ち会う機会自体が限られることが背景にあると考えられます。

ぺんすけ

対象が広がっても、記録がなければ算定できません。訪問日と心身の状況の記録は日頃から残しておきましょう。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 リ(ターミナルケアマネジメント加算)老企第36号 第三の20

特定事業所医療介護連携加算は看取り15回

特定事業所医療介護連携加算は125単位で、3つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 前々年度3月から前年度2月までの間に、退院・退所加算に係る連携回数が35回以上ある
  • 同期間にターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定している
  • 特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定している
ぺんすけ

(A)を算定している事業所は対象になりません!

令和8年4月1日から経過措置が終わり、ターミナルケアマネジメント加算の回数要件は本則の15回になりました

令和7年3月31日までは5回以上、令和7年4月1日から令和8年3月31日までは読み替え式の回数で足りていたため、去年まで届いていた事業所が今年から届かなくなるケースが出てくるタイミングです。

ぺんすけ

経過措置が終わったばかりの要件は見落としやすいところです。
前年に算定できていたからと安心せず、直近1年の看取り回数を数え直しておきましょう。

算定率は1.07%です。

前提となるターミナルケアマネジメント加算そのものの算定率が2.56%であることと合わせて見ると、年15回の看取りは居宅介護支援の平均的な規模ではなかなか届かない水準だとわかります。

出典:厚生労働大臣が定める基準 第84号の2老企第36号 第三の15(2)

返還や報酬ゼロにつながる減算5本

加算は届出をして初めて算定が始まりますが、減算は違います。要件を欠いた事実が生じた時点で、気づかないうちに適用が始まります。運営指導で指摘されると、過去にさかのぼって返還を求められることもあります。

水戸市が公表した令和6年度の運営指導における指摘事項では、183件の指摘のうち居宅介護支援は31件でした。新規に居宅サービス計画を作成した利用者について、次の指摘が並んでいます。

  • アセスメントの実施記録がないこと
  • モニタリングの実施記録がないこと
  • サービス担当者会議の実施がないこと

これらに対して市は「初回の居宅サービス計画作成時に運営基準を満たしていない場合は、初回加算の算定はできません」と結論づけています。

この1件が示しているのは、運営基準を満たさないことは減算だけの問題ではないという点です。すでに算定した加算そのものが、記録の不備によって取れなくなります

多くの事業所が算定している初回加算も例外ではありません。

居宅介護支援の減算5本が適用され始めるタイミングを並べた時間軸。運営基準減算が2か月続くと報酬がゼロになること、利用者全員が対象の減算があることを示す
スクロールできます
減算名率または単位数発生する条件適用が始まる時点解消の条件
運営基準減算100分の50(2月以上継続で算定しない)説明義務・面接・会議・同意・モニタリングの記録などを欠いた場合該当した月から改善が認められた月まで
特定事業所集中減算1月につき200単位前6月間の訪問介護・通所介護・福祉用具貸与・地域密着型通所介護で同一事業者の割合が100分の80を超える場合該当した月から割合が100分の80以下に戻れば解消
同一建物減算100分の95(5%減)同一敷地内・隣接地の建物、または同一建物に20人以上居住する利用者にサービス提供する場合該当した月から建物の要件に該当しなくなれば解消
高齢者虐待防止措置未実施減算100分の1委員会の開催・指針の整備・年1回以上の研修・担当者の設置のいずれかを欠いた場合該当した月の翌月から改善が認められた月まで(利用者全員が対象)
業務継続計画未策定減算100分の1業務継続計画(BCP)を策定していない場合該当した月の翌月から(令和7年4月1日から適用)策定・運用が確認された月まで(利用者全員が対象)

出典:水戸市「令和6年度 運営指導における指摘事項(令和6年1月〜12月)」

運営基準減算は2か月続くと報酬がゼロになる

運営基準減算は所定単位数の100分の50を減算する仕組みです。次のいずれかの事由に該当すると適用されます。

  • 説明義務を果たしていないこと
  • 居宅訪問と面接をしていないこと
  • サービス担当者会議を開いていないこと
  • 原案の説明・同意・交付をしていないこと
  • モニタリングの記録がないこと

2月以上継続すると、その月の報酬は算定しません。つまり報酬がゼロになります。1回の記録漏れであれば減算にとどまりますが、放置すると請求できる報酬そのものがなくなる仕組みです。

ぺんすけ

記録の抜け漏れは後から取り戻せません。日々の記録を積み重ねることが、いちばんの防止策です。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 イ注6老企第36号 第三の6

同じ事業者に8割集まると200単位減る

特定事業所集中減算は、前6月間に作成した居宅サービス計画のうち、訪問介護・通所介護・福祉用具貸与・地域密着型通所介護について、同一事業者の割合を確認する減算です。

同一事業者の割合が100分の80を超えると、1月につき200単位を減算する仕組みです。正当な理由があれば適用されません。

前6月間に紹介した訪問介護の依頼が20件あり、そのうち17件を同じ事業者に集中させていた場合、割合は85%となり100分の80を超えます。正当な理由を説明できなければ、特定事業所集中減算の対象になります。

出典:大臣基準告示第83号

同一敷地内の利用者は単位数が5%減る

同一建物減算は令和6年度改定で新設された減算です。

事業所と同一敷地内・隣接地にある建物、または同一建物に20人以上が居住する建物の利用者にサービスを提供する場合、所定単位数の100分の95を算定します。

位置関係だけで機械的に判断するものではありません。次のように、効率的なサービス提供につながらない事情がある場合は、減算を適用すべきではないとされています

  • 広い敷地に建物が点在していること
  • 道路や河川で隔てられ迂回が必要なこと
ぺんすけ

同じ建物だから一律で減算される、というわけではありません。効率的なサービス提供につながらない事情があれば適用されません。

出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 別表 イ注5老企第36号 第三の10

虐待防止の委員会がないと1%引かれる

高齢者虐待防止措置未実施減算は、実際に虐待が起きたかどうかではなく、体制そのものを問う減算です。次の4つのうち、いずれか1つでも欠けていると適用されます

  • 虐待防止のための委員会を定期的に開催すること
  • 指針を整備すること
  • 年1回以上の研修を実施すること
  • 担当者を設置すること

減算率は所定単位数の100分の1ですが、利用者全員が対象になる点に注意が必要です。1人の記録漏れではなく、体制そのものの不備として扱われます。

ぺんすけ

虐待が実際に起きていなくても、体制が整っていなければ対象になります。4つの要件をまとめて確認しておきましょう。

出典:老企第36号 第三の8

業務継続計画がないと1%引かれる

業務継続計画未策定減算も、体制の不備を理由に利用者全員が対象になる減算です。

感染症や災害が発生した場合に事業を継続するための計画(BCP)を策定していない場合に、所定単位数の100分の1を減算します。

この減算は令和7年4月1日から適用が始まりました。令和7年3月31日までは経過措置で不適用でしたが、現在は猶予がありません。

ぺんすけ

策定して終わりではなく、実際に運用できているかどうかも確認しておきたいところです。

出典:老企第36号 第三の9

次の記録は、それぞれ残しておく必要があります。

  • 会議の議事録(2年間保存)
  • 毎月末の遵守状況の記録(2年間保存)
  • 入院時の情報提供の記録
  • 緊急時カンファレンスの記録

記録が残っていなければ、要件を満たしていないのと同じ扱いになります

ぺんすけ

記録は「あるはず」ではなく「見せられる状態」にしておくことが大切です。日々の記録の積み重ねが、そのまま運営指導への備えになります。

出典:老企第36号 第三の14(3)③・第三の14(4)・第三の16(1)・第三の19

居宅介護支援事業所の加算に関するよくある質問

居宅介護支援費(Ⅱ)の事務職員は常勤でなければいけませんか?

常勤である必要はありません。事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも要件を満たします。勤務時間数についても特段の定めはありません。

取扱件数に介護予防支援の利用者は含めますか?

含めます。指定介護予防支援の利用者数に3分の1を乗じた数を、居宅介護支援の取扱件数に加えて数えます。逓減制の該当件数を数えるときに見落としやすい点です。

ケアプランデータ連携システムは他事業所との連携実績が要りますか?

実績は問われません。国保中央会のケアプランデータ連携システムに利用申請をし、クライアントソフトをインストールしていれば要件を満たします。

要介護3以上40%の割合に地域包括支援センターからの困難事例は含めますか?

含めなくてかまいません。地域包括支援センターから紹介された困難事例は、40%の割合を計算する際の枠外として扱うことができます。毎月の割合は記録しておく必要があります。

介護予防支援にも処遇改善加算はつきますか?

つきます。介護職員等処遇改善加算は居宅介護支援と介護予防支援の両方に新設されており、加算率はどちらも2.1%です。届出の考え方も居宅介護支援と同じです。

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この記事を書いた人

レバウェル介護にて約2年間、介護業界専門のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300名以上の介護士の転職面談を担当。また介護施設への人材派遣を通じて採用側の課題解決にも従事。このような実務経験をもとに、介護事業者・求職者双方にとって信頼性の高いWeb制作を行っています。

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